流体解析を行う上で必要なこととは? 【その1】解析領域:初心者のための流体解析入門(2)(3/3 ページ)
流体解析をテーマに、入門者や初学者でも分かりやすくをモットーに、その基礎を詳しく解説する連載。今回は“流体解析を行う上で必要なこと”として、解析領域について取り上げる。また記事後半では、流体解析ソフトウェアを用いた簡単な作業の流れについても紹介する。
3.境界条件を決める
何℃の水が、どのくらいの量流れ込んでくるのか、あるいは出ていくのか、そしてどこでその出入りがあるのかを定義する。
今回は、一つの流入口から70℃、もう一つの流入口から15℃、一つの流出口からその合計が出ていくものとする。
後はメッシュを作成する。ここのプロセスはscFLOWの方がより厳密だ。八分木を作成し、その上でメッシュを作成する。一見面倒そうだが、全体の要素数をどうするか、どこを局所的に細かくするか、境界層をどうするかなどを意図的にコントロールできる。
一方、SOLIDWORKS Flow Simulationは、もちろんメッシュ作成に対する制御は可能だが、構造解析の「SOLIDWORKS Simulation」と同様に、メッシュを一度も目にすることなく、[実行]ボタンをクリックするだけで一気に実行からポストまで進んでくれる。
4.ポスト処理
最後は結果処理だ。今回は定常解析なので最終的に落ち着いたところの結果が示される。流速ベクトルや温度分布のコンター図が確認できるなど、基本的な情報はどちらのソフトウェアでも同じだ。
ということで、今回は基礎講座として解析領域の話を前半に、実際の解析の簡単な流れを後半に示した。次回以降も同様のスタイルでお届けしたい。(次回に続く)
◎併せて読みたい「CAE」関連ホワイトペーパー:
» 横浜ゴムのタイヤ開発を推進する“AI×CAE×ヒト”による三重奏
» 設計者が実施すべき解析“3つ”のポイントと最新CAE技術動向
» 【体験レポート】設計者CAEの有効性を“パスタ”で学ぶ
Profile
水野 操(みずの みさお)
1967年生まれ。mfabrica合同会社 社長。ニコラデザイン・アンド・テクノロジー代表取締役。3D-GAN理事。外資系大手PLMベンダーやコンサルティングファームにて3次元CADやCAE、エンタープライズPDMの導入に携わった他、プロダクトマーケティングやビジネスデベロップメントに従事。2004年11月にニコラデザイン・アンド・テクノロジーを起業し、オリジナルブランドの製品を展開。2016年に新たにmfabrica合同会社を設立し、3D CADやCAE、3Dプリンタ関連事業、製品開発、新規事業支援のサービスを積極的に推進している。著書に著書に『絵ときでわかる3次元CADの本』(日刊工業新聞社刊)などがある。
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