デジタルとリアルのタッグで次世代ラインビルダーへ、ISIDとFAプロダクツが提携:FAニュース(2/2 ページ)
電通国際情報サービス(以下、ISID)とFAプロダクツは2019年3月26日、スマートファクトリー分野で資本業務提携を行ったことを発表した。FAプロダクツが実施する第三者割当増資を引き受け、ISIDがFAプロダクツ株式の20%を取得する形となる。これによりFAプロダクツはISIDの持分法適用会社となる。
具体的なソリューションのイメージ
具体的なソリューションとしては、まず製品の設計面でのモデルベース開発だけではなく、生産領域までも含めたモデルベース化を進めていく方針である。これを「Production Model Based System Engineering(PMBSE)」と位置付け、データモデルとシミュレーションを用いて、構想設計段階において生産領域の課題も解決できるようにする。
ISID 製造ソリューション事業部 戦略技術ユニット長 川口宏氏は「製造業の製品開発はフロントローディング化を進め前段階で多くのシミュレーションを行い、手戻りを少なくすることで、効率化を実現してきた。従来は実機による検討に多くの時間を割いてきたが、3DCADによる3Dモデルデータの活用により、基本設計段階で多くの問題をつぶせるようになってきている。さらに構想設計段階でのモデルの活用により、さらなるフロントローディング化が進んでいる。これを生産領域にも行き渡らせる」と述べている。
これらを実現するために、ISIDが持つ「生産グランドデザイン」「生産システムズエンジニアリング」「DERソリューション」などを活用する一方で、機能させるためには、生産設備やオペレーションの知見が必要となる。この領域をFAプロダクツがカバーする。
これらを共同で推進することで、ワンストップのパッケージソリューションの共同開発を行う。その他、共同セミナーの実施やデジタルツインのデモ機などを展示し、スマートファクトリーのコンセプトを啓蒙(けいもう)していく方針を示している。
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