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「デザイン思考でデジタル変革する」って何するの? 最初の一歩とはイノベーションのレシピ(2/5 ページ)

IoTやAIなどの先進デジタル技術を活用し、業務プロセスやビジネスモデル変革を行う「デジタル変革」の動きが加速。この動きの入り口としてデジタル変革ワークショップなどの開催も広がっている。しかし、実際に「ワークショップが何になるのか」はまだまだ見えにくい。そこで、本稿ではこうした取り組みを進める富士通の「FUJITSU Digital Transformation Center」でのワークショップの内容を通じ、製造業の取り組みにどう役立つのかを紹介する。

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デザイン思考をどう活用するのか

 「デザイン思考」とは、ユーザーの観察により求める潜在的価値を明らかにし、そこを起点に新たな製品やビジネスを構築するという考え方である。もともとはデザイナーなどの創造的活動を支える発想や考え方として使われていたが、変化が激しい時代の中での新規事業創出へ発想法として広まった。ポイントは「現在のしがらみを無視して、まずありたい姿を描く」ということだ。その姿を起点として、バックキャスト型で「現在」をその「ありたい姿」に近づけるために、どういう手段や手法があるのかという考え方で、新しい技術やツールなどを生み出していく。

 「デザイン思考」は汎用的なものであるが、現在ではある程度の手順などが既に整備されている状況である。具体的には、「顧客への共感(Empathize)」「問題を定義(Define)」「アイデア創出(Ideate)」「プロトタイピング(Prototyping)」「検証(Test)」のサイクルを回していくということになる。

※)関連記事:イノベーションを生み出す「デザイン思考」とは

 日本企業は後半の「アイデア創出」「プロトタイピング」「検証」における「とにかく早く世に送り出して世間の反応を問う」という点でも課題を抱えているが、その手前の「顧客への共感」「問題を定義」という「そもそも顧客が求める潜在的ニーズをつかんで定義する」ということも苦手としているケースが多い。

 デジタル変革ワークショップはデザイン思考を取り入れたものが多いが、主に担うのはこの「顧客への共感」「問題を定義」である。これらを実際に行い新規事業の指針を作るケースもあれば、体験することで企業内でも自律的にこうした取り組みを行えるようにするケースもあるという。

富士通の「FUJITSU Digital Transformation Center」での取り組み

 富士通の「FUJITSU Digital Transformation Center」(DTC)は、こうしたデジタル変革への取り組みを支援する共創ワークショップの場として2016年に設立を発表。東京と大阪の他、米国ニューヨーク、英国ロンドン、ドイツのミュンヘンに拠点を設置し、さまざまな取り組みを進めてきている。

 具体的には、DTCでは技術動向や最新事例の紹介などによる情報収集、最新技術の体験、デザイン思考や専門家とのディスカッションによる課題抽出とアイデアのまとめなどを支援しているという。

 富士通 エバンジェリスト 及川洋光氏は「2年間で1500以上のワークショップを開催している。日本では特に『働き方改革』『IoTおよびAI活用』『モノづくり』の領域でのワークショップが多い。共通項として他部門が関わる領域だという点が挙げられる。自社だけで部門間の連携をいきなり組むのが難しい場合、まずは富士通のワークショップを活用してスタートを切るというような使い方も多い。議論に最適なツールや設備が整っているところがDTCの特徴だ」とDTCの活用方法について述べている。

 DTCではさまざまなテーマでのワークショップが実施されているが、本稿ではスマート工場化による「工場全体の最適化」をテーマにしたワークショップと、新たなビジネスモデルを考える「IoTで未来を描く」をテーマとしたワークショップの2つの内容を紹介する。及川氏は「工場全体の最適化についてはどちらかといえば既存業務の改善を行うということが中心となっている。一方IoTで未来を描く方は、新規ビジネス創出型となっている」と述べている。

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