中小製造業とスタートアップは最強タッグ!? AIやIoTの素早い活用が可能に:製造業IoT(3/3 ページ)
関東経済産業局は、関東圏の中小製造業とスタートアップによるマッチング事業プロジェクトの成果発表イベントを実施。2組のマッチング事例発表の他、中小製造業3社とスタートアップ3社によるパネルディスカッションも開催され、連携のメリットなどが語られた。
中小企業とスタートアップが組むメリットとは
発表会の後半では、スタートアップとの提携経験のある中小企業3社(トヨタケ工業、協豊製作所、菊池製作所)と、スタートアップ3社(ものレボ、Mira Robotics、キスモ)によるパネルディスカッションが開かれた。
パネルディスカッションの登壇者。左から、トヨタケ工業の横田幸史朗氏、協豊製作所の滝正臣氏、菊池製作所の乙川直隆氏、ものレボの細井雄太氏、Mira Roboticsの松井健氏、キスモの鈴木雄也氏(クリックで拡大)
両者が提携するメリットとして挙げられたのが、プロジェクトを進めるスピード感がそろっていることだった。
「大手からの短納期のオーダーに対応しきたので、速く進めたいスタートアップとのフィーリングが会う」(菊池製作所)
「会議に参加する担当者が決裁権を持っているので、持って帰って検討するというプロセスがなく、その場で決まる」(キスモ)
「中小企業側にも2代目、3代目の経営者が多く、スタートアップへの関心度が高い」(ものレボ)
また、中小企業側から見て、スタートアップから受ける良い影響も多く、自社の社員に及ぼす効果も多いという。
「大手企業なら1年はかかるようなことでも2カ月で形にするスタートアップに衝撃を受けた。やる気とスピード感は社内のメンバーも見習わないといけない」(協豊製作所)
「新しいことができるということで社員のモチベーションも上げやすいし、スキルアップの効果も見込める。また社員採用に対しても、スタートアップとの取り組みはPR効果が高い」(菊池製作所)
「自動車シート用のミシンのIoT化をスタートアップと実施した際に、実証実験として一部のミシンに導入したところ、『どうして自分のミシンには導入しないのか』とパート社員から文句が来た。新しいことに対する社員の関心度は高い」(トヨタケ工業)
中小企業とスタートアップの協業に関する注意点としては、資金面が潤沢ではないスタートアップのキャッシュフローに配慮することや、主従関係ではなく対等な関係でプロジェクトを進めることの重要性が指摘された。
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