最適化形状設計システム「SCULPTOR V3.8」、設計者に配慮した機能改善:CAEニュース
ヴァイナスは2019年2月27日、「SCULPTOR V3.8(スカルプターV3.8)」を販売すると発表した。
ヴァイナスは2019年2月27日、「SCULPTOR V3.8(スカルプターV3.8)」を販売すると発表した。販売開始は同年3月1日。SCULPTORは、高品質なメッシュモーフィング機能を備えた最適化形状設計システムである。税別販売価格は年間ライセンスが250万、永久ライセンスが625万円。
同製品の最適化計算で導いた形状はCAEや3D CADで利用することが可能だ。また、最適化計算で生成したモデルデータと3Dスキャンモデル、あるいは構造系と流体系のメッシュなど、異なるモデル同士のメッシュの合わせこみができる「Shape Matching」の機能を備えることも特徴だ。
従来、3D CADで最適化データを利用する場合はACISのモデルを介していたが、複雑なモデルが化けやすいなど課題があった。新製品ではOpen CASCADEのモデルを介する形に変更。3D CADに取り込む際のデータ品質が向上した。
Shape Matchingは、異なるメッシュモデルのそれぞれの接点を合わせこむ独自アルゴリズムである「IDU(Interactive Deviation Update)」を搭載。従来は勾配法を採用していたが、IDUを採用したことにより従来製品比で計算回数を約50分の1に削減できた。
さらに形状最適設計探査を自動実行可能な専用ライセンスを新たに製品ラインアップに追加。スクリプトやバッチを用いた自動実行機能を拡張および強化し、設定済みパラメータ数値の変更を可能にした。
CAEソルバのインタフェースとしては新たに、「STAR-CCM+」のメッシュ形式ファイル(.ccm)の新バージョン「V13.06」に対応した。
ヴァイナスはSCULPTOR V3.8の販売ターゲットとして、国内の自動車や重工業、造船メーカーを対象としており、初年度で30ライセンスの販売数を見込む。
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