3D設計データをAR/MRデータに自動変換するサービス、「HoloLens 2」対応も明言:VRニュース(2/2 ページ)
SB C&Sとホロラボは、製造業や建設業の3D設計データを自動変換し、AR/MRデバイスで利用できるようにする可視化ソリューション「mixpace(ミクスペース)」を共同開発した。
ARヘッドセットの需要はB2B向けが中心
SB C&SのICT事業本部は、事業戦略の4本柱の1つである次世代携帯電話通信技術「5G」に向けた展開の一環として、2016年からホロラボとAR/MR技術で協業を重ねてきた。2017年はmixspaceのβ版サービスとなる「AR CD Cloud」を共同でリリースし、2018年には業務提携にも踏み込んでいる。SB C&S 上席執行役員 ICT事業本部長の草川和哉氏は「2020年にサービス開始が予定されている5Gに向けて、mixspaceの開発もさらに進んでいくことになるだろう」と強調する。
今後のmixspaceは四半期ごとを目安とするバージョンアップを継続していく予定だ。その中で、オートデスクの施工管理ツール「BIM360」や、Revitと並んで広く用いられているグラフィソフトのBIMツール「ARCHICAD」への対応を計画している。機能面でもモデル操作を共有するシェアリングなどを順次追加していく。
欧州時間の同日、マイクロソフトがHoloLensの後継モデル「HoloLens 2」を発表したが、「HoloLens 2の発売スケジュールに合わせて、mixspaceも対応できるようにしたい」(中村氏)としている。この他、「Windows MR」技術を用いたVR(仮想現実)ヘッドセットや、建設現場で広く用いられているiOSデバイスにも対応する予定だ。
mixspaceの事業展開を担当するSB C&SのICT事業本部 MD本部 本部長の永谷博規氏は「世界のAR/VRヘッドセット市場は2022年に6894万台まで拡大する見込みだが、このうちARヘッドセットは38%を占める。この需要はB2B向けが中心になるだろう」と述べる。
mixspaceの主な用途として想定するのが、製造と建設の両分野における意匠設計、建設分野の施工管理や検査、墨出し、製造分野の試作や干渉チェック、現場の保守業務などのトレーニングやマニュアル、技能伝承など。SB C&Sのパートナー約1万社を通して展開していくとしている。
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