樹脂部品の2次加工品質向上に貢献する超音波発振機:FAニュース
日本アビオニクスは、樹脂部品の2次加工品質が向上し、生産タクトタイムを短縮する超音波発振機「SW-D」シリーズ4機種を発売した。独自のデジタルATHMOS制御により、安定した高速溶着が可能になった。
日本アビオニクスは2019年1月15日、樹脂部品の2次加工品質が向上し、生産タクトタイムを短縮する超音波発振機「SW-D」シリーズ4機種を発売した。
同社独自の超音波発振周波数自動追尾ATHMOS方式(Automatic Tuning Hold Master Oscillator System)を採用し、高速溶着が可能だ。このATHMOS制御に、加圧時の振幅立ち上がりの早さや振幅ロスの少なさによる高速加工をデジタル化し、融合することで、安定性と高機能性が加わった。
タイマー、エネルギー、ピークパワー、連続発振の他、外部センサー制御モードを搭載し、変位センサーや温度センサーなどを使用した発振停止制御に対応する。ユーザーは加工内容に合わせて最適な制御方式を選択可能で、豊富なモニタリング機能により、溶着の良否判定もできる。
また、トレーサビリティーを一元的に管理できるイーサネット接続を標準装備。結果の出力に加え、外部から条件設定やプログラムを切り替えられる。
専用の小型軽量コントローラーUA-C01で遠隔操作できるため、発振機の配置の自由度が向上する。自動機設備の設計時間を削減し、省スペース化にも貢献する。
自動機への組み込みに向けては、外部インタフェースを増強し、堅牢性を強化。高度な外部信号による動作に対応するとともに、冷却性能や防塵構造を改善し、周囲雰囲気温度や湿度などの変化がもたらす溶着時の発振エラーを低減する。また、過電流保護回路の強化により、負荷の高い過酷な環境化での使用にも耐えられる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 第4次産業革命で変わる検査と品質向上の取り組み
製造業の産業構造を大きく変えるといわれている「第4次産業革命」。本連載では、第4次産業革命で起きていることや、必要となることについて、話題になったトピックなどに応じて解説していきます。第21回となる今回は、IoTやAIを活用することで品質向上への取り組みがどのように変化するのかという点を紹介します。 - 品質不正問題にどう立ち向かうのか、抜本的解決のカギはIoTと検査自動化
2017年の製造業を取り巻く動きの中で、最もネガティブな影響を与えたのが「品質不正」の問題だろう。「日本のモノづくり」のブランド力を著しく傷つけたとされるが、2018年はこの問題にどう対応するのかという点は、全ての製造業の命題である。人手不足が加速する中、解決につながる「仕組み」や「ツール」に注目が集まる1年となる。 - IoT時代にどう立ち向かうか、自動検査の位置付けを変えたマインドセット
「検査装置は不具合を見つける装置ではなく、不具合を出さないためのものだ」――。基板実装ラインなどで使われる外観検査装置で好調を続けるサキコーポーレーションだが、成功の土台には「マインドセット」の取り方にあったという。サキコーポレーション社長の秋山咲恵氏の講演の内容をお届けする。 - 工場自動化のホワイトスペースを狙え、主戦場は「搬送」と「検査」か
労働力不足が加速する中、人手がかかる作業を低減し省力化を目的とした「自動化」への関心が高まっている。製造現場では以前から「自動化」が進んでいるが、2019年は従来の空白地域の自動化が大きく加速する見込みだ。具体的には「搬送」と「検査」の自動化が広がる。 - 機械の健康診断「非破壊検査」の世界
今回は「非破壊評価総合展2009」の展示内容を紹介。日本非破壊検査協会のキャラクター「ノンディ」や古い検査装置も登場する