時系列データからのAI生成を無償で実施、クロスコンパスが「AI Factory」を開設:人工知能ニュース
クロスコンパスは2018年12月17日に無償でAIの性能のデモ評価を行える「AI Factory」を開設した。同社Webサイトから予約申し込みした顧客を対象に、同所で2時間ほどかけて、時系列データを用いたAIの生成や評価などを無償で実施する。
製造業向けAI(人工知能)ベンチャーのクロスコンパスは2018年12月14日、同年12月17日に無償でAIの性能のデモ評価を行える「AI Factory」を開設すると発表した。同社Webサイトから予約申し込みした顧客を対象に、同所で2時間ほどかけて、時系列データを用いたAIの生成や評価などを無償で実施する。1カ月10件以上の利用を見込む。
クロスコンパスは、製造業の顧客を中心に深層学習(ディープラーニング)を用いたAIによる課題解決を行っている2015年創業のベンチャー企業だ。現在は年間で70〜80件の開発案件に取り組む他、安川電機やコマツなどとの協業も進めている。
AI Factoryは、東京・八丁堀にあるクロスコンパス本社内に開設される。顧客が持参した時系列データ(CSV形式)を用いて、それらを分析/識別するAIの生成や評価、課題設定、さらに簡単なデータコンサルティングを行う。所要時間は2時間程度だ。
顧客の時系列データからAIを生成する際には、同社が2019年初旬にリリース予定のAI開発ツール「Wave-IX」を用いる。Wave-IXは、AIの専門知識がなくても簡単に異常検知用のAIを開発できることが特徴。ディープラーニングによって、時系列データの波形を解析する「波形まるごと」解析が可能で、目視検査や統計的手法よりも異常検知の精度を大幅に向上できるとする。
時系列データは、圧力、電流/電圧、温度、流量、位置データなど時間的に変化した情報を持つデータであり、既に生産現場では計測、保持されていることが多い。「採ってはいるが使い道が分からないデータ」とも言われ、Wave-IXはその有効活用が狙いとしている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- AIと機械学習とディープラーニングは何が違うのか
技術開発の進展により加速度的に進化しているAI(人工知能)。このAIという言葉とともに語られているのが、機械学習やディープラーニングだ。AIと機械学習、そしてディープラーニングの違いとは何なのか。 - コマツの自律運転建機、AIは「適材適所」で採用
コマツは、「CEATEC JAPAN 2018」において、建設現場の無人化を可能にする自律運転建機を展示した。「コマツIoTセンタ東京」で実証実験を進めているもので、2021年ごろの商品化を目指している。 - ボールねじの不具合を未然に防ぐAI、データはサーボモーターのトルク波形だけ
安川電機子会社のエイアイキューブは、「第2回 AI・人工知能 EXPO」のクロスコンパスブースにおいて、サーボモーターを使ったセンサレス異常検知・状態監視ソリューションを披露した。 - 製造業向けAIの生成からエッジへのAI実装までの統合環境を構築、技術提携で
ディジタルメディアプロフェッショナルとマクニカ、クロスコンパスの3社は、製造業向けAIの生成からエッジAI実装までの統合環境を構築するため、技術提携する。提携により、学習からエッジ側での推論処理まで、短期間での実装が可能になる。 - 外観検査や故障予知でのAI活用を加速、安川電機がAI子会社を設立
安川電機はAIソリューション開発を手掛ける子会社「エイアイキューブ」を新たに設立した。さらにAIベンチャークロスコンパスとの戦略的提携も行う。 - 安川電機、多様なつかみ方を実現するロボットのAIピッキング機能を開発
安川電機は、AIベンチャーのクロスコンパスと共同で、多様なつかみ方を自ら学習するAIピッキング機能を開発した。