部品在庫の適正化や行動推定など、AI分析サービスを提供開始:製造ITニュース
東芝デジタルソリューションズは、同社のAI技術を活用し、目的ごとに特化させたAI分析サービス「SATLYSKATA 保守部品在庫最適化」および「SATLYSKATA 作業行動推定」の提供を開始した。
東芝デジタルソリューションズは2018年11月21日、同社のAI(人工知能)技術を活用した目的別AI分析サービス「SATLYSKATA(サトリスカタ)保守部品在庫最適化」および「SATLYSKATA 作業行動推定」の提供を開始した。
同社は、産業用IoT(モノのインターネット)領域において、データ分析からシステム構築、運用管理サービスまでカバーする分析AI「SATLYS」を活用したサービスを提供してきた。そのSATLYSの技術を活用し、目的ごとに特化させたAI分析サービスとして、今回2つのサービスを商品化した。
保守部品在庫最適化は、過去の保守履歴データから保守部品の種類ごとに故障モデルを作成。故障発生の時期や発生数を予測した上で、最適な在庫量を判断する。これにより、必要分の保守部品を確保しながら、保守部品の過剰在庫や廃棄コストを減らすことができる。同社のPCサーバ保守部品管理に同サービスを適用したところ、余剰在庫を約30%削減できた。
作業行動推定は、作業者がリストバンドなどのウェアラブルデバイスを装着し、それらの機器から得た加速度データから、ディープラーニング技術を用いて作業者の行動を推定する。同サービスを運用した東芝ロジティクスでは、作業の可視化により課題を掘り下げ、物流倉庫のピッキング作業で作業時間を約15%短縮できた。
いずれのサービスも、指定データを入力するだけでSATLYSKATAがAI分析し、結果が出力されるため、AIの専門知識がなくても活用できる。同社では今回の2サービスを第1弾とし、今後、サービスのラインアップを順次増やしていく予定だ。
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