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受託金属積層造形の先駆けはオーダーメイド医療を目指す:金属3Dプリンタ(3/3 ページ)
最終製品への3Dプリンタの活用が進む中、受託造形を行う企業も増えている。金属3Dプリンタなどによる受託造形を専門とするJ・3Dは、2013年に鋼材の通信販売事業から現在の積層造形事業へと舵を切った。現在は自動車業界など幅広い分野の金属造形を行う一方で、新たに医療分野の開拓を進める。J・3D 代表取締役の高関二三男氏に、自社の積層造形に関する取り組みや、3Dプリンタ装置の進化の現状などについて聞いた。
―― 純チタンは積層造形でメジャーな材料なのでしょうか。
日本では純チタンの取り組みはほとんどない。そのため積層造形によって造形された純チタンの造形データや物性データもない状態だ。従来の製造方法で製造されたJIS規格の材料に対して、劣っているのか優れているのかすら分かっていない。そこでさまざまな向きなどの条件で造形しながら、引張強度や疲労強度などの特性を調べているところだ。特に疲労強度の検査は大変で1回に2カ月程度掛かる。
股関節の疾患を持つ患者は日本の女性に特に多い。医学界でも日本オリジナルのパーツの必要性が長くいわれてきた。まずはこの股関節疾患で実績を作ることができればと思う。
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