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スマート工場の“障壁”破る切り札か、異種通信を通す「TSN」の価値いまさら聞けない第4次産業革命(27)(2/4 ページ)

製造業の産業構造を大きく変えるといわれている「第4次産業革命」。本連載では、第4次産業革命で起きていることや、必要となることについて、話題になったトピックなどに応じて解説します。第27回となる今回は、スマートファクトリー化の大きな障壁を破る技術として注目される「TSN(Time Sensitive Networking)」について考えてみます。

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ハノーバーメッセ2018でも注目された「TSN」

 すっかり寒くなってきましたが、今日も矢面さんは印出さんを訪ねてきたようですよ。

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印出さん。こんにちは。先日はありがとうございました。


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あら矢面さん、こんにちは。設計と製造の壁、打破できそう?(前回参照)あら、浮かない顔しているわね。


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そうなんです。また相談したいことができてしまって……。


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あら、どうしたの?


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「TSN」という技術があるらしいんですけど、知っています?


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知っているわよ。2018年のハノーバーメッセではかなり盛り上がっていたわね。


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えええ! 行ってたのにちゃんと把握できていませんでした第23回参照)。ちゃんと見ておけばよかったなあ……。そうすればあんなことには……。


「TSN」とは何か

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TSNがどうしたの?


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毎度毎度のうちの社長なんですが、業界団体の勉強会で「スマート工場は思ったより大変で特にデータを現場から取るのが難しい。産業用ネットワーク規格もバラバラだから」みたいな話をしたらしいんですね。


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それは本当のことよね。それで。


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そこであるITベンダーの人から「じゃあ、TSN使えば解決できるんじゃない」と指摘されたんですけど、社長は分からなかったみたいなんです。そのITベンダーの人が割に上から来る感じの人で、いろいろ言われて、社長はものすごく腹が立ったみたいで……。


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で、帰ってきて、矢面さんに怒りをぶつけた、と。矢面さんは社長のいいガス抜き役になっているわね。


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まさにその通りなんです! よく分かりましたね。


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さすがに27回もやっていると、読めてくるわよ。で、TSNについて教えてほしいということね。


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そうなんです。概要は分かるんですが、それで製造現場をどう変えられるのかというのがよく分からなくて……。


 TSNは「Time Sensitive Networking」を指し、イーサネットをベースにしながら時間の同期性を保証し、リアルタイム性を確保できるようにしたネットワーク規格です。IEEEなどの国際標準規格を複数組み合わせる形で実現しています。時刻同期や優先的に通すデータを制御する機能などを加えることができるため、リアルタイム性の確保できる点が特徴だとされています。

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