ニュース
AIを活用した工作機械の自己診断技術による主軸軸受の診断機能:FAニュース
オークマは、AIを活用した工作機械の自己診断技術OSP-AIによる主軸軸受の診断機能を開発した。自己診断により主軸損傷の予兆を検知できるため、予知保全ができる。
オークマは2018年11月2日、AI(人工知能)を活用した工作機械の自己診断技術OSP-AIによる主軸軸受の診断機能を開発したと発表した。自己診断により主軸損傷の予兆を検知できるため、予知保全につながる。
保守計画を主軸軸受の状態に応じて事前に策定し、保全作業を生産計画に支障を与えずに実施できる。予知保全によって主軸軸受状態に応じた主軸の交換ができるため、保守部品の費用を最小限にできる。また、振動センサーなどの測定器を別途準備する必要がなく、事前の診断データ収集やしきい値設定も不要となっている。
主軸を一定回転速度で回転し、計測した振動を分析して軸受状態を診断する。振動センサーユニットによる高いS/N比の振動計測と、適切な信号処理により、データの信頼性が高い。
異常度合は、主軸軸受の状態に応じたアイコンの色と数値により表示する。異常度合のトレンド表示を活用し、異常の進展を予測して計画的に保全できる。
また、機械特性に対する知見と蓄積した振動データをベースにAI技術を融合し、確度の高い診断ができ、OSP-AIの更新により最新の診断モデルが使用可能だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 頭脳を持つ製造機械は“計画的に止まる”、ファナックがAIの用途拡大
ファナックは「第29回日本国際工作機械見本市(JIMTOF2018)」(2018年11月1〜6日、東京ビッグサイト)において、製造機械におけるAI活用の多様なソリューションを出展した。新たに主軸の故障監視や熱変異補正、AIサーボチューニングなどを紹介している。 - 工作機械も4.0へ、シェフラーとDMG森精機が描く「マシンツール4.0」
ドイツのインダストリー4.0が大きな注目を集める中、工作機械にもIoTを積極的に活用する動きが出てきている。軸受部品を展開するシェフラーと、工作機械メーカーのDMG森精機は工作機械のインダストリー4.0対応を目指す「マシンツール4.0」プロジェクトを推進している。 - AIと機械学習とディープラーニングは何が違うのか
技術開発の進展により加速度的に進化しているAI(人工知能)。このAIという言葉とともに語られているのが、機械学習やディープラーニングだ。AIと機械学習、そしてディープラーニングの違いとは何なのか。 - 機械学習はどうやって使うのか――意外と地道な積み重ね
前編では、AI(人工知能)と機械学習、ディープラーニングといった用語の説明から、AIを実現する技術の1つである機械学習が製造業を中心とした産業界にも徐々に使われ始めている話をした。後編では、機械学習を使ったデータ分析と予測モデル作成について説明する。 - 世界を変えるAI技術「ディープラーニング」が製造業にもたらすインパクト
人工知能やディープラーニングといった言葉が注目を集めていますが、それはITの世界だけにとどまるものではなく、製造業においても導入・検討されています。製造業にとって人工知能やディープラーニングがどのようなインパクトをもたらすか、解説します。 - 人工知能は製造現場でどう役に立つのか
人間の知的活動を代替するといわれる人工知能が大きな注目を集めている。ただ、製造現場で「使える」人工知能は、一般的に言われているような大規模演算が必要なものではない。「使える人工知能」に向けていち早く実現へと踏み出しているファナックとPFNの取り組みを紹介する。