ニュース
ロボット用フレームワーク向け通信規格「DDS-XRCE」の通信実証に成功:組み込み開発ニュース
ルネサス エレクトロニクスは、同社の「RX65N」マイコンにロボット用フレームワークの次世代規格「ROS 2」向け通信規格「DDS-XRCE」を実装し、ROS 2の通信実証に成功した。
ルネサス エレクトロニクスは2018年10月29日、同社の「RX65N」マイコンにロボット用フレームワークの次世代規格「ROS 2(Robot Operating System 2)」向け通信規格「DDS-XRCE」を実装し、ROS 2の通信実証に成功したと発表した。今回実証に使用したソフトウェアを、2018年第4四半期中にオープンソースとして公開する。
実証では、RX65Nを搭載したボードを、ロボットの目、耳となるセンサー、手足となるアクチュエーターに見立てた。DDS-XRCEには、スペインのeProsimaのソフトウェア「Micro XRCE-DDS client」を採用。同ソフトウェアとの間で、DDS-XRCEに準拠した制御・通信を確認した。
RX65NがDDS-XRCEをサポートすることで、ユーザーはロボットシステムのエンドポイントに搭載するセンサー、アクチュエーター、モーターを制御するソフトウェア開発が可能になる。これによりサービスロボットの開発が加速し、福祉や警護、受付、清掃、家事支援など、多様なロボットの普及に貢献するとしている。
同社では、今回の通信実証のデモンストレーションを、同年11月14〜16日にパシフィコ横浜で開催される「ET&IoT Technology展」で、パートナー企業であるコアのブースで実施する予定だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- ロボット開発で注目される「ROS」(Robot Operating System)とは何か
ロボットの話題を聞くことが増えたが、判断と制御、駆動を備えたロボットを作るのはかなり骨が折れる。その負担を軽減するフレームワークが「ROS」(Robot Operating System)だ。 - ロボットに使われる分散処理、なぜ「ROS」が好まれるのか
ロボットの制御には集中管理よりも分散処理の方が都合が良く、さまざまなものが登場しているが、その中で一番有名なのが「ROS(Robot Operating System)」である。ではなぜROSが有名なのか。 - ROSを使う手順、パッケージとシミュレータの活用
ロボット開発に有用とされるROSだが、習得には対応ロボットを入手した方が手っ取り早い。利用開始までの手順と、併用したいツールやデバッガも紹介する。 - ROSロボットをコンテナベースで開発、開発管理環境ユーティリティーを無償提供
インテックは、ロボット開発者向け開発管理環境ユーティリティー「RDBOX」について、評価版アカウントによる無償提供を開始した。コンテナ型仮想化技術とネットワーク技術により、開発環境を簡単かつ迅速に構築できる。 - 「ROS 2」を用いて組み込みロボットシステム開発を支援するサービス
イーソルは、ロボット制御フレームワーク「ROS 2」を使った、組み込みシステム開発を支援するエンジニアリングサービスの提供を開始した。マイコンを使った小規模な組み込みシステムで、ROS 2の活用と商用化を進める。 - ROS開発団体とトヨタが連携、OSS開発利用の促進に100万ドルの助成も
トヨタが設立した人工知能開発拠点「TRI」とROSなどの開発を行う「OSRF」が連携、OSRFの設立した企業の技術者がTRIの活動を支援する。TRIからOSRFに100万ドルの助成も。