ROSロボットをコンテナベースで開発、開発管理環境ユーティリティーを無償提供:ロボット開発ニュース
インテックは、ロボット開発者向け開発管理環境ユーティリティー「RDBOX」について、評価版アカウントによる無償提供を開始した。コンテナ型仮想化技術とネットワーク技術により、開発環境を簡単かつ迅速に構築できる。
インテックは2018年9月14日、ロボット開発者向け開発管理環境ユーティリティー「RDBOX(A Robotics Developers BOX)」について、評価版アカウントによる無償提供を開始した。コンテナ型仮想化技術とネットワーク技術により、開発環境を簡単かつ迅速に構築できる。
RDBOXは、ロボット側のエッジ機能とクラウド側の管理運用機能で構成される。Kubernetesを用いることにより、ローリングアップデートやロールバックなどの自動配信や自動運用が可能だ。コンテナベース開発スタイルの導入により、GitHub、 Jenkins、Docker HubなどのCIツールを簡単に適用できる。
また、RDBOXをROSロボットとインターネット間に設置し、ROSロボットとクラウド管理機能をつなぐロボット専用のプライベートネットワークを構築できる。ROSロボットとRDBOX間は、Wi-Fiで接続する。複数あるRDBOXはメッシュWi-Fiのネットワークを自動構築するため、容易にWi-Fiの提供エリアを拡大できる。
ロボットアプリケーションだけではなく、OSやミドルウェアを含んだコンテナで配信と管理をする。OSやミドルウェアの交換作業は、コンテナイメージの実装と配備という手順に効率化している。
各ロボットの全対象物は、Kubernetesクラスタのクラウド管理画面から一元管理する。クラスタ内で管理されるものは、CPUアーキテクチャ(Arm、x86など)が混在する環境に対応。Kubernetesノード数は、必要な処理能力に合わせて増やせる。
ロボットの実行環境とクラウドの連携はVPNで構築するため、安全なネットワーク環境でアプリケーションを稼働できる。また、ロボットの制御ネットワークは外部から隔離。VPNによる接続とクラウド管理画面に限定し、ネットワーク攻撃から保護し、既存のネットワークとは分離したROSロボット専用のネットワークを構築する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- ロボット開発で注目される「ROS」(Robot Operating System)とは何か
ロボットの話題を聞くことが増えたが、判断と制御、駆動を備えたロボットを作るのはかなり骨が折れる。その負担を軽減するフレームワークが「ROS」(Robot Operating System)だ。 - ロボットに使われる分散処理、なぜ「ROS」が好まれるのか
ロボットの制御には集中管理よりも分散処理の方が都合が良く、さまざまなものが登場しているが、その中で一番有名なのが「ROS(Robot Operating System)」である。ではなぜROSが有名なのか。 - ROSを使う手順、パッケージとシミュレータの活用
ロボット開発に有用とされるROSだが、習得には対応ロボットを入手した方が手っ取り早い。利用開始までの手順と、併用したいツールやデバッガも紹介する。 - 「ROS 2」を用いて組み込みロボットシステム開発を支援するサービス
イーソルは、ロボット制御フレームワーク「ROS 2」を使った、組み込みシステム開発を支援するエンジニアリングサービスの提供を開始した。マイコンを使った小規模な組み込みシステムで、ROS 2の活用と商用化を進める。 - ROS開発団体とトヨタが連携、OSS開発利用の促進に100万ドルの助成も
トヨタが設立した人工知能開発拠点「TRI」とROSなどの開発を行う「OSRF」が連携、OSRFの設立した企業の技術者がTRIの活動を支援する。TRIからOSRFに100万ドルの助成も。 - Pepperが「ROS」に正式対応
ソフトバンク「Pepper」がロボット開発用ミドルウェア「ROS」(Robot Operating System)に正式対応した