製造業の情報を連携し、活用するシステムの最新版:製造ITニュース
富士通は、製造業におけるさまざまな情報を連携する「COLMINA」の最新版「COLMINA V2」を発表した。生産性や品質を向上するためのモデルとなる6種のシナリオを搭載し、エッジとクラウドを組み合わせたハイブリッド型のデータ処理ができる。
富士通は2018年10月2日、設計、製造、保守など製造業のさまざまな情報を連携させるシステム「FUJITSU Manufacturing Industry Solution COLMINA(COLMINA)」の最新版「COLMINA V2」を発表した。同年12月末から販売する。価格は「COLMINA V2基本」が16万6000円から、「COLMINA シナリオ」が4万2000円から、「COLMINA エッジ V2基本」が1万5000円から(いずれも月額、税別)。同社では、2020年度にCOLMINA関連事業で売上高2000億円を目指す。
最新版のCOLMINA V2は、同社がこれまで蓄積してきた製造業の業務課題解決ノウハウをベースとしたデータモデルや、それを活用したアプリケーションを6種類の「COMINAシナリオ」として搭載する。
例えば、生産影響を最小化するシナリオでは、欠品や欠員など日常的に発生する変動に対して、コストや納期、品質、生産性などのうち優先すべきKPI(Key Performance Indicators:評価指標)を柔軟に検討し、最適な投入計画をリアルタイムに導き出す。その他、設備と作業員の稼働率向上や、製品仕様の変更を迅速化するシナリオなどが用意されている。
これらのシナリオをものづくりの現場に組み込むことで、シナリオの標準化モデルから見える化や分析、予測ができ、短期間で生産性向上、品質改善を図ることができる。
さらに、最新版では、製造現場で収集したデータを蓄積する独自の「COLMINAデータモデル」やデータ活用アプリケーションを、エッジコンピューティングで使えるようにした。これにより、エッジ領域で即時性、秘匿性が求められるデータ処理をしながら、クラウドでデータ分析をするなど、業務要件に応じたハイブリッド型のデータ処理が可能になり、柔軟なシステム運用に貢献する。
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