光学設計解析ソフトウェアの「CODE V 11.2」、設計時の光学系仕様を簡単に評価:CAEニュース
サイバネットシステムは、光学設計解析ソフトウェア「CODE V」の最新バージョン「CODE V 11.2」の販売を開始した。光学設計の性能評価を容易にする機能や最適化制約条件が改良され、設計や製造コストの削減に貢献する。
サイバネットシステムは2018年9月19日、光学設計解析ソフトウェアの最新バージョン「CODE V(コードファイブ) 11.2」の販売を開始した。CODE Vは、Synopsysが開発した光学設計解析ソフトウェア。同社が販売、サポートしている。
最新バージョンでは、「SpecBuilder」機能を強化した。SpecBuilderは、設計中の光学系が仕様を満たすか、目標とする光学性能に対して性能をどの程度得ているかを簡単かつ迅速に評価する。今回、同機能に「ディテクタエネルギー」「エンサークルドエネルギー直径」などの光学仕様を追加。ユーザーインタフェースも改良し、容易にズームポジションや画角、デフォーカスに対する一連の仕様を入力できる。
製造コストを削減する「最適化コンストレインツ(制約条件)」も改良した。エッジをレンズのアパチャー(光学的な使用領域)外側のどの位置で定義するか指定でき、物理的なエッジを定義する精度が向上したことで、レンズの製造性をよりコントロールできるようになった。また、制約条件の入力インタフェースが、視覚的に理解しやすいツリー構造になり、選択が容易になった。
新たに追加した「2D-Qタイプ自由曲面」は、ベストフィットコーニック面をベースに、Qタイプ多項式で構成。VR(仮想現実)、AR(拡張現実)向けの高性能でコンパクトなヘッドマウントディスプレイを設計する際に活用できる。
その他、製造・測定装置のための非球面形状データを出力するユーティリティ「AsphereWriter」を標準機能に追加。ピクセル化したセンサーを使用した高性能光学システムの設計に役立つ「エンクローズドエネルギー解析」用の関数や、面上に設定したアパチャーの可視化機能、光学系の前後を正確に安定して反転する機能も追加した。加えて、解析に活用できる多層膜コーティング定義ファイルの暗号化も可能になった。
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