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自分の仕事は実験の連続、報酬は「信用×換金レート」で決まるDMM.makeの中の人に聞く「IoTとスキル」(1)

今回から、IoTを業務に活用したい人たちをサポートしている、DMM.make AKIBAのスタッフのインタビューを連載する。IoTに関する考え方はもちろん、彼らのキャリアからも何かを得られると思う。今回は、DMM.make AKIBAでエヴァンジェリストを務める岡島康憲氏に登場いただいた。

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 今回から、IoTを業務に活用したい人たちをサポートしている、DMM.make AKIBAのスタッフのインタビューを連載する。IoTに関する考え方はもちろん、彼らのキャリアからも何かを得られると思う。今回は、DMM.make AKIBAでエヴァンジェリストを務める岡島康憲氏に登場いただいた。

プロフィール

岡島康憲(おかじま やすのり)/DMM.make AKIBA エヴァンジェリスト

2006年、電気通信大学大学院修了後、NECビッグローブ株式会社(現:ビッグローブ株式会社)にて動画配信サービスの企画運営を担当。2011年にハードウェア製造販売を行う岩淵技術商事株式会社を創業。自社製品開発以外にも、企業向けにハードウェアプロトタイピングやハードウェア商品企画の支援を行う。2014年、ハードウェアスタートアップアクセラレータ「ABBALab」の立ち上げやハードウェアスタートアップ向けのシェアファクトリー「DMM.make AKIBA」の企画運営を担当。2017年、センサーデバイスにより収集した情報の可視化プラットフォームを提供するファストセンシング株式会社を創業。マーケティングを中心とした業務を担当。



「自分の価値」を準備して創業

―― 現在の仕事の内容は?

岡島 知人と立ち上げた2つの会社と、DMM.make AKIBAのエヴァンジェリストとしての仕事をしています。エンジニアリングのことや、エンジニアの気持ちが比較的分かる、ビジネスサイドの人という認識です。大学、大学院ではメディアアートを専攻していました。必要最低限のWebサーバ側のプログラムなどは作っていましたが、趣味や研究といったレベルで、エンジニアになろうと思ったことはありません。

―― 大学院終了後、2005年にNECに就職しましたね。どんな仕事をしていましたか。

岡島 Webサービスの企画です。最初は動画の配信サービスの企画と、そこに掲載する広告商品の設計でした。動画配信サイトができ始めた頃で、動画広告もまだない時代です。その後、動画以外の新規サービスを検討するなかで、エンジニアとの密なコミュニケーションが必要になり、資料で説明するよりプロトタイプを見せたほうが早いと考えました。それがきっかけで、本格的にコードを書くようになりました。

―― 会社員時代から独立に向けて準備をしていたのですか。

岡島 はい。会社の看板がなくても自分の価値を担保できるように準備しました。

まず2008年頃からは趣味として、Webのサービスを作って外部に公開することはじめました。例えば当時流行ったログイン形式「OpenID」について解説したり、政治家にある課題に対するスタンスをインタビューしたり、iOSやアンドロイドのアプリの情報を収集したり……。そのうち、ハードウェアとWebサービスを連携させるという動きが出始め、実現しやすい環境も整ってきたので、ブラウザの枠を超えたほうが世界は広がると思って自分でも開発を始めました。

―― 2011年に2人で創業した会社は、どのような事業を行う会社ですか。

岡島 ハードの製造販売がメインです。例えば最初に売上に貢献した製品は、ソーラーパネルの電気を充電バッテリーに流し込めるものです。端子をむき出しにして、多少の改造もできようにしました。当時、スマートグリッドの研究等に必要な基盤やモジュールは高価だったので、安価なツールとして研究者やエンジニアの方にご利用いただきました。その他、技術相談などもお受けしています。主にハードウェアを作りたいと考えるWeb系会社と、ハードを作る人とのコミュニケーションを橋渡しすることが多いです。私たちは2人ともWeb系出身なので、良き相談相手になれるという自覚はありますね。

―― 創業当時はIoTという言葉はなかったと思いますが、事業の内容はIoTですよね。

岡島 そうですね。IoTと言われ始めたのは2013年ごろからだと思いますが、当時私たちは「コネクテッドハードウェア」と表現していました。

仕事は「実験」の連続

―― その後2014年に「ABBALab」の立ち上げや「DMM.make AKIBA」の企画運営を担当し、2017年にはセンサーデバイスで収集した情報の可視化プラットフォームを提供する2つ目の会社を創業して、現在は2社での仕事+DMM.make AKIBA エヴァンジェリストというわけですね。これまでを振り返って、重要だったと思う出来事は何ですか。

岡島 1社目の事業を展開する中で、いくつかのスタートアップの製品開発に関わることができたことが1つです。われわれと同じように、スタートアップの製品を作る支援をする人たち、例えば広報、量産、設計など、アイデアをきちんと製品化するためにサポートする人と知り合えて一緒に仕事ができるようになりました。もう1つはDMM.make AKIBA ですね。こういう場所を作りたいというプレイヤーと会えたことも大きいと思っています。

―― 岡島さんにとって、仕事とは。

岡島 仕事をしてお金をいただくというのは「信用×換金レート」だと思っています。「1日会社にいてくれるはずだ」という信用があるから、毎月のお給料として換金される。会社にいるのではなく、とても顔が広いとか、相談するとなんとかしてくれるという信用ならば、その人なりに別の換金方法でお金を得ている。だから私自身も、誰に対してどういう信用を持っているのか、その信用をどういう風にお金に変えるかを常に考えています。

もう1つは、仕事は実験の連続だということです。自分はどういう信用を積み上げられるか、どういう換金方法があるか、どちらも不確定要素が多く、明日も同じかどうか分からない中では、相手に合わせて常に実験を重ねるしかないと思っています。

―― 実験には失敗もあると思うのですか。

岡島 大失敗もたくさんありますよ。でも失敗のダメージを小さくするには、筋のいい営業をして案件を増やすしかない。かつ足で稼ぐのではなく、何か自動的に営業してくれる状況を作らなければ効率が悪いですね。

それは、製造業の方たちも同じなのではないでしょうか。影響力、交渉能力もそうですが、知ってもらう能力も営業力のキーだと思います。


 次回も岡島氏のインタビューが続きます。(次回に続く)

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執筆・構成:杉本恭子(すぎもと きょうこ)/フリーライター



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