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熟練工の技術を動画でマニュアル化する技術継承ソリューション:ウェアラブルニュース
JMACSとイノベーションプラスは、スマートグラスによる遠隔作業支援と、スマートフォン動画共有サービスを連携させた技術継承ソリューション「EyePlus」を発売した。多くの製造業が抱える、技術継承についての課題解決を目指す。
JMACSとイノベーションプラスは2018年8月1日、製造業での継承技術や特殊機器の操作方法を動画で簡単に共有するシステム「EyePlus(アイプラス)」を発売した。遠隔作業支援ソリューション「nvEye's」と法人向けスマホ動画共有サービス「BizDogaPlus」を連携させたものとなる。
JMACSのnvEye'sは、精密機器の操作習得や技術継承のため自社のケーブル工場向けに開発したもので、エプソンのスマートグラス「MOVERIO」を用いて遠隔で作業支援ができる。JMACSを含め多くの製造業者が利用している。
このnvEye'sを改修し、イノベーションプラスが提供する法人向けのスマートフォン動画共有サービスのBizDogaPlusとAPI連携させた。連携により、動画で作業内容をアーカイブし、動画そのものをマニュアルとすることで、熟練作業者の豊富なノウハウや技術をより効率的に継承できるようになった。
両社は共同でEyePlusを外部へ広く展開し、多くの製造業が抱える技術継承についての課題解決を目指す。
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