VWのコネクテッドカーの肝は「vw.OS」、カーシェアなどサービスの土台に:モビリティサービス(2/2 ページ)
Volkswagen(VW)は2018年8月23日(現地時間)、2019年第2四半期から電気自動車(EV)のカーシェアリング「We Share」を開始すると発表した。クルマを所有しない人を主なターゲットとし、EVやカーシェアリングの利便性を知ってもらうことが狙いとなる。
ソフトとハードを切り離すことがコネクテッドカーの強みに
vw.OSは、従来一体化していたコントロールユニットのソフトウェアとハードウェアを分離することを狙っている。ハードウェアではなく、クラウドやバックエンドからクルマが持つ機能や能力を増強し、ユーザーにシームレスな進化や継続的なアップデート、アップグレードを提供する考えだ。分散していたハードウェアを集約するとともに、VW自前のソフトウェアに能力を持たせる。これにより、開発コストの削減や、コントロールユニットが膨大に増えることの抑制も図る。
VWは、コネクテッドカーのセキュリティについて、「セキュアバイデザイン」の考え方や、アーキテクチャのエンドトゥエンドでセキュリティ対策を施すことが重要であり、既に実践しているという。設計開発段階からセキュリティ技術を組み込むことで、サイバー攻撃に対する高い安全性を確保する。
こうしたコネクティビティはグループのブランド全体に拡大する。また、各ブランドだけでなく外部のパートナー企業とも協力し、コネクテッドカー向けのサービスを充実させるためのクラウドソリューション「One Digital Platform」の開発を進めていく。One Digital PlatformはVWが提供するサービスと、外部パートナーのITアーキテクチャの接続を保証する。また、VWのクルマを所有していない人がスマートフォンなどを通じてサービスを利用する上でも重要な役割を果たす。
これらの取り組みは、クルマをインターネットにつなげるだけでなく、スマートフォンやPC、タブレット端末のようにクルマを使えるようにするためだ。ソフトウェアならではのフレキシビリティを生かし、それぞれのブランドのカスタマーエクスペリエンスを提供する。
One Digital Platformには、ユーザーや販売店、1台1台のクルマに対して発行するIDも含まれる。ユーザーはVolkswagen Weのさまざまなサービスを1つのIDで利用できる他、VWや販売店は一人一人のユーザーやクルマに合わせた的確な案内やサービスを提供できるようにする。
VWブランドでは、2025年までにこうしたデジタル化に35億ユーロ(約4500億円)を投じる計画だ。
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