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インタビュー

MaaS時代の一人一人に合わせたサービスへ、変わる自動車保険つながるクルマ キーマンインタビュー(2/3 ページ)

トヨタ自動車がクラウン、カローラスポーツを皮切りに展開を強化するテレマティクス保険について、あいおいニッセイ同和損害保険 トヨタ事業部 部長の荒川裕司氏と、トヨタ自動車 国内企画部 コネクティッド・新規事業PT プロジェクトリーダーの垣迫和行氏に話を聞いた。

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危険運転を減点するだけでなく、上手な運転に加点も

MONOist 運転に対するアドバイスを鬱陶しく感じる人もいるのではないでしょうか。また、運転の点数はどのように決まるのでしょうか。

荒川氏 極端に危険な運転でない限り、流れに乗った無理のない普通の運転であれば保険料の割り引きが受けられる設計とした。一般に危険だと認識されるような運転をしなければ、通常のスコアが出てくる。スコアリングは、Insure The Boxのノウハウや当社が持つ事故のデータ、トヨタ自動車が持つ運転挙動のデータを基にしている。教習所のように運転してもらうわけではなく、事故につながらない安全運転を評価する基準にしている。

MONOist テレマティクス保険の成否はいつ見えてきますか。

荒川氏 保険会社としては、事故発生率がどう動くかが指標になるが、いつ事故発生率が下がるか、具体的にはまだ何とも言えない。ただ、事故の発生率は急激には下がらないと見ている。安全運転は目には見えないので、スコア化することで安全運転への意識を高めたい。

MONOist 今後、テレマティクス保険をどのように進化させていきますか。

荒川氏 アイデアレベルではあるが、コネクテッドカーからとれるデータを活用して、運転のスムーズさを加点できないかと考えている。急ブレーキや急加速に対する減点に加えて、カーブやブレーキでの安全かつスムーズな運転をプラスにスコアリングできるようなものが開発できれば、安全運転だけでなく運転の楽しさにもつなげられるのではないかという考えだ。車両との兼ね合いもあるが、コネクテッドカーの性能や機能はどんどん進化していくと聞いているので、お客さまにとって“うれしさ”のあるサービスを作っていきたい。

垣迫氏 実際にはいろいろな情報がDCMから入手できる状況だが、保険とデータの相性で、現時点では減点方式の商品設計になっている。移動の楽しさや「Fun to drive」は、安心安全に加えてトヨタ自動車が大事にしているところだ。うまい運転を自動車保険につなげるのは目指すところでもある。

荒川氏 自動車保険を進化させる上で、デバイスも関わってくるだろう。例えば、情報を常時撮れる仕組みに車載カメラを組み合わせれば、新しい運転挙動の反映ができるのではないか。また、年齢層を絞った保険の商品が出てくることも考えられるだろう。今回のテレマティクス保険をベースに中身を進化させていく。

トヨタ自動車はクラウン(左)とカローラスポーツ(右)からコネクテッドカーの本格展開を始めた(クリックして拡大) 出典:トヨタ自動車

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