組み込み機器のWindows 7からWindows 10への移行で考慮すべき互換性問題:待ったなし!組み込み機器のWindows 10 IoT移行(2)(3/3 ページ)
2020年10月13日にサポートが終了する「Windows Embedded Standard 7」から最新の「Windows 10」世代へ移行について解説する本連載。第2回は、ハードウェアやドライバ、アプリケーションなどの互換性の問題や構築とインストールについて解説する。
Windows 10 IoT Enterpriseの構築とインストール
これまでの組み込み向けWindowsを含め、Windows 10 IoT Enterpriseのインストール、構築に使用するツールをまとめたものが図3です。
Windows 7では、インストールに使用するDVDメディア(OPK:OEM Pre-installation Kit)は各言語版が用意されていましたが、Windows 10 IoT Enterpriseでは英語版OSに、必要なランゲージパックを適用することで対応します。また、Windows 7では多言語対応が必要な場合には、上位エディションであるUltimateが必要でしたが、Windows 10 IoT Enterpriseは標準で多言語対応しています。
Windows Embedded Standard 7では必要だった開発ツールの購入や開発環境の構築も不要となっています。
OPKによるインストールは、通常のWindows 7などと同様に、ウィザード(対話)形式で行いますが、応答ファイルを用いることで、無人インストールや、量産用の複製準備を行うことが可能です。応答ファイルはWindows ADKに含まれるSystem Image Manager(SIM)を使用して作成します。
OSのインストール、カスタマイズ、マスターイメージ化と量産展開の大まかな流れを図4にまとめました。実際のところ、Windows 10 IoT Enterpriseのインストール手順や複製方法は、Windows 7のそれとほとんど違いがなく、これまでWindows 7/Windows Embedded Standard 7を搭載した組み込み機器での経験がある開発者は、直感的に作業を進めることができるかと思います。
次回
次回はWindows 10 IoT Enterpriseで利用可能なロックダウン機能について説明していく予定です。
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