「COMPUTEX TAIPEI 2018」で静かに始まるx86からArmへの置き換え:COMPUTEX TAIPEI 2018レポート(後編)(3/4 ページ)
「COMPUTEX TAIPEI 2018」の組み込み関連展示レポートの後編をお届け。あまり盛り上がっていないLPWAや、中国系SoCのSOM/SBCでの躍進などを紹介するとともに、前回と比べて着実に進んでいたx86からArmへの置き換えについても紹介する。
x86マーケットで見せるDM&Pの存在感
さてSOM/SBC、x86系に関してはIntelのAtomや「Celeron/Pentium」を搭載した組み込み対応製品が大量に出ていて、なんというかやや食傷気味になるほどだった。そんな中でちょっと目新しいのが、SECOとドイツのiBASEの出していた「Ryzen 1000 Embedded」搭載のSOM/SBCだった(図19、20)。
ただこと組み込み、ということになると登場してくるのが台湾DM&P Electronics。当然、台湾での開催ということもあってDM&P自身のブースを設けて「Vortex86」ベースのSOM/SBCを展示していた(図21、22)。
それより面白かったのがfabIA Techologiesの展示だった。もう会場を見渡してもほとんどPCI/104とかCOM Express/Qseven/SMARCといったフォームファクタに移行しているにもかかわらず、「Vortex86DX」のPC/104カード(図23)を堂々と展示していた。それのみならず、AMDの「Geode LX-800」ベース(図24)や「STPC」なんぞのカード(図25)まで展示されている始末。PC/104ではなく通常のISAカードタイプもあり、Vortex86DX(図26)やGeode LX-800(図27)、さらにはCeleron/400MHz搭載ボードまで用意されていた(図28)。
話を聞いたところ、さすがにこれらの製品は新規デザイン用ではなく、既存のデザインを利用している顧客のメンテナンス用とのこと。Geode LX-800やSTPC、Celeron/400MHzなどはもちろん新規での入手は不能であり、ただ同社は長期供給向けにがストックしているために今でも製品として提供可能という話だった。ちなみにfabIAでは、可能であればVortex86DXベースの製品で置き換えることを推奨しているそうだが、性能とか消費電力などの観点でVortex86DXでは間に合わない(あるいはアプリケーションを動かした際の振る舞いが変わるなど)ケースがあり、そうした場合にCeleronがGeode LX、STPCなどの製品を提供するという話であった。
実のところ、さすがにISAに関しては産業用途でもだいぶ需要が減ってきており、例えば台湾SUNIXの展示(図29)をみてもPCI/PCI ExpressかPCI-104がメインになっており、既にISAはレガシー扱いになってきているようだ。とはいえ、IntelのAtomとかになると、PCIすらもレガシー扱いになってしまうので、ISA/PCIベースのx86システムではまだまだDM&PのVortex86が強いようで、何よりである。
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