検索
特集

「COMPUTEX TAIPEI 2018」で静かに始まるx86からArmへの置き換えCOMPUTEX TAIPEI 2018レポート(後編)(2/4 ページ)

「COMPUTEX TAIPEI 2018」の組み込み関連展示レポートの後編をお届け。あまり盛り上がっていないLPWAや、中国系SoCのSOM/SBCでの躍進などを紹介するとともに、前回と比べて着実に進んでいたx86からArmへの置き換えについても紹介する。

Share
Tweet
LINE
Hatena

中国系SoCの躍進が目立つSOM/SBCの動向

 SOM(System on Module)/SBC(Single Board Computer)といえば、Arm系はNXPの「i.MX 6〜8」、x86系ではIntel(インテル)の「Atom」がそれぞれ幅を利かせているという構図そのものには大きな変化は無い。

 このi.MXのマーケットに割って入りたいと画策しているはずなのがQualcommであるが、残念ながら今回もSOMへの搭載例は皆無。TechNexionがコネクティビティ―向けモジュールを展示している程度で(図9)「Snapdragon」は皆無。会場の中で明確に展示されていたのはGeniatechの「Developer Board 4 IoT」位のものだった(図10)。まぁNXPとの合併後の事を考えてあえてSOMマーケットには手を出していない可能性もあるが、どちらかといえばi.MXのシェアを切り崩せないという方が正解な気もする。

図9図10 型番から分かる通り、これらはいずれもコネクティビティ―チップセットであり、Snapdragonではない(左、図9)。Snapdragon 410を搭載した超小型ボード。ちなみにTechNexionは「Snapdragon 410」を搭載するより大型な「Developer Board 4」とか、「Snapdragon 820E」を搭載した「Developer Board 8」もラインアップしている(右、図10)(クリックで拡大)

 一方で、SOMは見かけなかったがSBCで確実にシェアを伸ばしつつあるのがRockChipだ。今回はOne Minute Technology図11、12)、IC NEXUS図13、14)、Shenzhen Share Technology図15)などの展示を見かけた。

図11図12 「RK3399」を搭載したハイパフォーマンス向け。同社に限らずRK3399を搭載した製品は多数見かけた(左、図11)。スペックからみると「RK3188」あたりを搭載しているのかもしれない。今となっては非力なSoCだが、POS向けとしては十分だろう(右、図12)(クリックで拡大)
図13図14 「SBC3100」。IC NEXUSは従来i.MXベースの製品を展開してきており、これがRockChipを使う最初の製品の模様(左、図13)。ビデオディスプレイ向けには下のケースに収める形で提供されるようだ(右、図14)(クリックで拡大)
図15
回転する台の上での展示のため、ブレブレなのは御容赦を。中央のチップにはRockChipのロゴがはっきり載っていたが、この製品は同社のページにも説明が無く、また会場でも説明が一切なかったあたり、試作品の可能性もある(クリックで拡大)

 他にもボードの展示はなかったが「RockChipのSoCを搭載」という説明は数箇所で見掛けた。特に「Cortex-A72」を必要とするような高い性能が要求されるシーンでは「RK3399」がコスト的に手ごろな様で、今後もじわじわと採用事例が増えていくものと思われる。これに続く(?)のがAmLogicで、会場ではやはりGeniatechがRaspberry Pi互換のフォームファクタのボード(図16)を展示していた。Geniatechは他にもAmLogic採用のSBCをリリースしており、このあたりは手馴れた感じであった。ただしRockChipと異なり、明示的にAmLogicの製品を搭載したSBCを見かけたのはGeniatechのみで、明確にトレンドになっているとは言いがたいが。

図16
搭載されるのは2GHz駆動の「AmLogic S905X」で、これは「Cortex-A53」×4コアの構成。画面表示はQHD(3840×2160pixel)@60Hzで、オプションでM.2ソケットもサポートされるなど、オリジナルのRaspberry Piとは比較にならない高性能ぶりをアピール(クリックで拡大)

 ちなみにSOMで言えば、今回「SMARC Rel 2.0」対応のものを幾つかのメーカーで見かけた(図17)。ただ同時にQseven図18)とかCOM Expressモジュールも展示されているなど混在状態で、単に今でも乱立気味のSOMの規格に新顔が加わっただけ、という感じもしなくもない。

図17図18 SECOのブースから。「Zynq Ultrascale+」搭載のSOM。まぁCPUが載っているからSOMとしても十分利用可能とは思うが(左、図17)。同じくSECOのブースから、こちらもクアッドコアの「Cortex-A9」を搭載する「Tegra T30」なのでSOMとして利用可能ということだろう(右、図18)(クリックで拡大)

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る