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新生ウインドリバーが事業戦略を説明、組み込み機器をソフトウェアデファインドに組み込み開発ニュース(2/2 ページ)

ウインドリバーは2018年7月11日、東京都内で会見を開き、同社の事業戦略を説明。同社は、これまでの親会社だったインテルから、投資会社であるTPGキャピタルへの売却が2018年6月26日に完了しており、新体制のウインドリバーが日本国内のメディア向けに会見を行うのは初となる。

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新生ウインドリバーは5つの項目に注力

 この変化を実現するために同社は5つの項目に注力している。1つ目は「System Partitioning」で仮想化技術となる。そして2つ目の「Workload Consolidation」はワークロードの統合化である。これら2つは、先述した変化の2段階目で重要な役割を果たし、従来の制御システムを共通プラットフォームに統合していくことになる。「既に航空宇宙分野で起こっていることで、今後は自動運転技術が注目される自動車でも求められる」(ノイズ氏)。

「System Partitioning」「Workload Consolidation」 「System Partitioning」(左)と「Workload Consolidation」(右)(クリックで拡大) 出典:ウインドリバー

 3つ目は「IT Scalability/OT Integrity」である。従来の組み込み機器はハードウェア、ソフトウェアとも要件に合わせてカスタマイズすることが多かったが、今後は汎用的なハードウェアをベースにアプリケーションで要件を実現するITシステムのようなアプローチが必要になる。「ネットワーク機器では、NFV(ネットワーク機能仮想化)によるハードウェアとソフトウェアの分離で実績がある。この技術は、今後さまざまな分野で求められるだろう」(ノイズ氏)。

「IT Scalability/OT Integrity」「Machine Learning」 「IT Scalability/OT Integrity」(左)と「Machine Learning」(右)(クリックで拡大) 出典:ウインドリバー

 4つ目は「Machine Learning」で、現在のAIの中核をなす機械学習だ。ノイズ氏は「組み込み機器向けの機械学習は、クラウドなどと比べて反対のアプローチが必要になる」と説明する。目的を検討し、課題が特定されたらベストなフレームワークを選択。そこからハードウェアを選ぶ。「CPUも十分な性能があるが、場合によってはGPUやFPGAも使う必要がある」(同氏)という。

 5つ目は「Fluid Computing」だ。IoTがトレンドとなる中で、これまでのITシステムの主役がメインフレーム、クライアント−サーバ、クラウドと移り変わる中で、集中と分散を繰り替えしているといわれる。ノイズ氏は「クラウドへの集中からIoTによる分散が起こるのではなく、今後はエッジからクラウドに至るまで液体を満たすような形になるのではないか。当社は、全てのコンピューティングデバイスを変えていきたい」と述べる。

「Fluid Computing」
「Fluid Computing」(クリックで拡大) 出典:ウインドリバー

 これからのウインドリバーは、これら5つの項目を柱に、現在の製品ポートフォリオを拡充していく。「組み込み分野にITシステムの拡張性をもたらすという意味で、インテルの傘下では良い成果が得られた。今後は独立企業として、M&A施策を含めてソフトウェアにフォーカスした事業展開が可能になる」(ノイズ氏)としている。

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