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AI搭載CADを歯科のブリッジ治療向けに開発、ディープラーニングも活用:CADニュース
三井化学の子会社Kulzerと9DWが、AIを搭載した歯科用CADソフトウェアの開発に着手した。Kulzerのビッグデータに9DWのAIを活用して、欠損歯のブリッジ治療を効率化し、治療具の設計精度を向上するソフトウェアを開発する。
三井化学は2018年5月30日、子会社であるドイツのKulzer(クルツァー)が、AI(人工知能)開発企業の9DWと共同で、AIを搭載した歯科用CADソフトウェアの開発に着手したと発表した。
開発するAI搭載CADソフトウェアは、欠損歯の治療法として一般的に用いられるブリッジ治療の効率化と治療具の設計精度を向上するものだ。Kulzerが有する100万件を超えるビッグデータに9DWの数値解析AIと画像認識AIの技術を活用。データをディープラーニングさせることで、高精度かつ高速に、複雑なデザインが要求されるブリッジのデータ処理ができるCADソフトウェアを開発する。
ブリッジのデザインは、まず3Dスキャナーでデジタル化した個人の口腔内データをAIで完成形に近づける。これをブリッジの1次デザインとして自動出力し、技工所でデザインの最終化作業をする。同ソフトウェアでは、これまで15分かかっていたブリッジのデザイン作業を30秒に短縮することを目指しており、技工所の作業負担を軽減する。これにより、患者に対しても迅速な歯科治療が提供できるようになる。
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