インドの物流効率化プロジェクトにデータ分析サービスを提供:製造IT導入事例
NECは、同社のビッグデータ分析プラットフォーム「Data Platform for Hadoop(DPH)」と「データインテグレーション・分析サービス」を、インドの物流効率化プロジェクトを支援するために提供したと発表した。
NECは2018年5月18日、同社のビッグデータ分析プラットフォーム「Data Platform for Hadoop(DPH)」とプロフェッショナルサービス「データインテグレーション・分析サービス」を、インドのLogistics Data Bank(LDB)プロジェクトを支援するために提供したと発表した。
LDBプロジェクトは、インド国内の物流にICT技術を活用し、輸送リードタイムの短縮や在庫削減、生産計画の精度向上を目指している。同プロジェクトを推進するのは、インドで物流可視化サービス事業を運営するDMICDCロジスティクス データ サービス(DLDS、デリー・ムンバイ間産業大動脈開発公社とNECの合弁会社)だ。
今回、NECのDPHとデータインテグレーション・分析サービスを用いて、システム投資を最小限に抑えつつ、データ収集や処理、蓄積、分析を1つの分析基盤で実行可能な統合分析プラットフォームを構築した。
これにより、これまで手作業で2週間かけて作成していた月次・年次レポートをワンクリックで自動生成するなど、レポート作成期間が大幅に短縮。他に、データ分析の工数を約70%削減したり、共通のダッシュボード上で分析モデルの開発から分析レポートの作成までをトータルで実行したりと、エンジニアとアナリストの連携業務効率化に貢献。分析レポートも迅速に提供できる。
DLDSでは今後、共通分析基盤としてDPHを活用し、リアルタイムデータの取り込みや予測分析などを強化することで、センサーから得たIoT(モノのインターネット)データを分析して輸送経路を最適化するといった、新たなサービスを提供していく。
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