東芝機械は2018年5月8日、大型の金型ワーク加工に対応した横形マシニングセンタ「BM-1000Q」を開発したと発表した。自動車産業において、加工品質・加工効率が求められる大型アルミダイカスト金型などに対応する。
主軸はクイル直径200mm。繰出し量は300mmで、任意に位置制御が可能な1600N・mのクイル繰出し機能を持つ。標準回転数は6000min-1となり、1万min-1のオプションも提供する。
鋼材のポケット荒加工に利用する場合、汎用マシニングセンタの35m/s2と比較して、BM-1000Qは機械コラムでの振動値を10m/s2と大幅に低減。ツインドライブ機構を採用し、早送り速度は40min-1、切削送り速度は25min-1と従来機の2倍以上に向上した。
省スペース設計で、カバー内部の加工空間を広くした。ロータリーシャトル方式APC(自動パレット交換装置)を採用し、ワーク交換時間を従来の60秒から54秒へ短縮した。
さらに、新開発の自社製CNC「TOSNUC PX200」を導入し、タッチパネルによる直感的な操作を可能にした。これによりオペレーターの利便性向上と、機械の診断機能の充実を図っている。
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