インテルが東京本社にコラボレーション・センター開設、イノベーションの創出へ:組み込み開発ニュース(3/3 ページ)
インテルは2018年5月21日、東京本社内に開設した「インテル コラボレーション・センター」を報道陣向けに公開した。IoTやAI、VR、パーセプチュアルコンピューティング、自動運転技術などを活用した製品/サービスの開発を目指す顧客とともに、イノベーションを生み出すためのコラボレーションの場となる。
8K映像をPCで楽しむ
2018年12月からテレビ放送が始まる8Kについての展示も行っている。アストロデザインの8K対応カメラで撮影した水中映像を、圧縮率1440倍、480倍、300倍の順に再生するデモでは、圧縮率が異なっても8K映像の美しさが変わらないことを示した。エンコーダー、再生のためのソフトウェアデコーダーはテクノマセマティカルが提供しており、これらはXeonを搭載したPCで実行されている。8Kモニターはシャープ製だ。
「タフパッド」で空間採寸
パナソニックの頑丈タブレット端末「タフパッド」には、インテルの3Dカメラ「RealSense」を採用した「空間採寸ソリューション」がある。展示では、タフパッドを使っての箱の採寸や、採寸した箱と貼付されたQRコードのひも付けによるデータ管理などが可能なことを示した。
カード型コンピュータの可能性
インテルはカード型コンピュータ「Compute Card」を展開している。現状は、専用ドックに組み込んで使うのが基本だが、機器にカードを直接挿してコンピュータ化することも検討されている。展示では、LGディスプレイが試作したCompute Cardが組み込み可能なインテリジェントモニターを披露した。
ざらざらやつるつるを感じられる3Dハプティクス技術
ミライセンスが開発した3Dハプティクス技術も展示した。力覚、圧覚、触覚の“三原触”の組み合わせでさまざまな触覚を実現できるという。なお、触覚を感じるデモでは、手前から奥側に押し込むなどの動作を検知するために、インテルのRealSenseが用いられている。
MaaSへの参入を目指す企業向けの自動運転シミュレーター
米国オレゴン州のIntel Labsで開発された「Automotive User Experience Simulator」は、自動運転時のHMI開発を支援するためのものだ。「新たにMaaS(Mobility as a Service)への参入を目指す企業は、自動車メーカーやティア1サプライヤーのようにテストコースを持っていない。このシミュレーターを使えば、自身のMaaSのサービスに合わせた自動運転車のHMIを開発できる」(インテルの説明員)。また、RealSenseなどを使った乗員認識など、システムの改良も検討されているという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- インテルのFPGAはソフト開発者でも簡単に扱える、デルと富士通がサーバに採用
日本アルテラがデータセンター向けに展開を強化しているFPGA事業の戦略について説明。デルEMCと富士通のサーバ製品群に、ソフトウェア開発者でもFPGAを容易に扱える環境を用意した「インテルPACカード」が採用されたことを明らかにするとともに、国内のオンプレミスサーバ市場に向けて積極的に提案していく方針を示した。 - 「Xeon」とFPGAをシームレスに連携、「インテルPAC」でソフト開発が容易に
インテルがFPGAユーザー向けのイベント「インテルFPGAテクノロジー・デイ」を開催。サーバ向けプロセッサ「Xeon」とFPGAがシームレスに動作する「インテル プログラマブル・アクセラレーション・カード(PAC)」を国内向けに初披露した。 - インテルはAIで勝ち残れるのか、脳科学研究から生まれた「Crest」に賭ける
世界最大の半導体企業であるインテルだが、AIやディープラーニングに限ればその存在感は大きいとはいえない。同社は2017年3月にAI製品を開発するAIPGを発足させるなど、AI関連の取り組みを強化している。2017年3月に発足したAI製品事業部の副社長兼CTOを務めるアミール・コスロシャヒ氏に話を聞いた。 - インテルとPFNが協業、「Chainer」のパフォーマンスを大幅に向上へ
Preferred Networksが、同社のディープラーニング向けオープンソースフレームワーク「Chainer」の開発で、インテルと協業すると発表。インテルの汎用インフラ上で、Chainerのパフォーマンスを大幅に向上させるのが目的だ。 - インテルは「データカンパニー」になれるのか、5Gモデムの成功がカギに
インテルは「データに関わるところをエンドツーエンドでカバーする、データカンパニーになる」(インテル 社長の江田麻季子氏)。既に有力な地位を築き上げているクラウド/サーバ分野だけでなく、5G対応モデムICなどのネットワーク分野、IoTのフレームワークにおけるエッジコンピューティング分野を含めて製品開発を強化していく。 - インテルアーキテクチャもディープラーニングに有効、「GPUが最適は先入観」
インテルが人工知能(AI)技術や事業、ビジョンについて説明。買収企業の技術を取り入れたAIプラットフォーム「Nervana」により、小から大まで規模に応じてスケーリングさせられるAI技術を提供する。GPUが最適というイメージが強いディープラーニングについても「それは先入観にすぎずインテルアーキテクチャのようなCPUも十分に有効」とした。