装置制御と安全対策を両立する、マシンオートメーションコントローラー:FAニュース
オムロンは、マシンオートメーションコントローラー「NX1」シリーズを発表した。同シリーズに高速アナログ入力ユニットやセーフティCPUユニットを組み合わせることで、装置の制御と高速情報処理、安全対策が同時に実行できる。
オムロンは2018年4月24日、マシンオートメーションコントローラー「NX1」シリーズを発売した。また、NX1シリーズと組み合わせる高速アナログ入力ユニット「NX-HAD4□□」とセーフティCPUユニット「NX-SL5□□□」も順次発売する。
NX1シリーズは、同社独自のマルチコア技術により、装置の制御と高速情報処理の両立が可能だ。定周期で時刻を同期させ、センサーやサーボモーター、コントローラーに接続する各種ユニットの情報を収集し、制御性能を保ちながら、その情報を上位のITシステムに送信する。モーション、I/O同期制御は最速1ミリ秒の定周期、最大モーション制御軸数は12軸だ。
Ethernetポートを幅66mmのボディーに3つ内蔵し、EtherNet/IP、EtherCATおよびFAとITの両方で使われるIIoT(インダストリアルIoT)の国際標準規格「OPC UA」を全機種に標準で搭載。容易かつ安全に、製造現場と上位ITシステムとを接続する。
データベース接続タイプは、製造履歴をPCやミドルウェアを介さずに、直接上位のデータベースに書き込めるため、高速で確実な全数トレーサビリティーを構築できる。
同コントローラーとNX-HAD4□□を組み合わせると、時刻同期した状態で、5μ秒周期で絶縁された4chのアナログデータを同時に取得できる。これにより、高速回転体の振動検査などをする際に必要だったPC搭載の専用検査機が不要になる。
また、NX1シリーズにNX-SL5□□□を組み合わせることで、製造ラインの制御と安全対策の両立が可能になる。安全、制御を1つのモジュール単位で管理でき、ラインのレイアウト変更時もプログラムの書き換えなしで容易に変更できる。
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