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複雑化するソフトウェア開発、3つの解析で品質を確保する――シノプシス組み込み開発 インタビュー(2/2 ページ)

シノプシス(Synopsys)と言えば、ケイデンス・デザイン・システムズ(Cadence Design Systems)、メンター・グラフィックス(Mentor Graphics)と並び、半導体向けEDA(回路設計自動化)ツールの大手ベンダーとして広く知られてきた企業だ。2017年度の売上高は約27億米ドル(約2960億円)で、従業員は約1万2000人にのぼる。

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日本の製造業のソフトウェア品質向上に貢献する

 IoT時代に入り、組み込みソフトウェアの品質はセキュリティの問題に直結するようになった。どこかに脆弱性があれば、サイバー攻撃者から即座に狙われてしまう。その一方で、IoTシステムは、エッジ側の組み込み機器、つなげるための通信技術、データを収納/解析するクラウドなどさまざまな要素で構成されるため、ソフトウェア品質を確保することは容易ではない。

IoT時代に入りソフトウェア開発はより困難になっている
IoT時代に入りソフトウェア開発はより困難になっている(クリックで拡大) 出典:シノプシス

 また、従来の組み込みソフトウェア開発はウオーターフォール型で、ハードウェア開発の後に行うこともあり半年〜1年の猶予があった。しかしIoT時代には、アジャイル型のソフトウェア開発が必要になっている。例えば、IoTデバイスのセキュリティに関わるアップデートは数日〜数週間以内で対応しなければならない。その場合に、ウオーターフォール型の開発手法は機能しない。実際に、自動車分野は、コネクテッドカーの車載ソフトウェアを随時アップデートするOTA(Over-the-Air)が導入されることは確実だ。テスラ(Tesla)は既にOTAに対応しているが、他の自動車メーカーも急ピッチで取り組みを進めており、そこに関わる企業は根本的な変更が求められている。

 クーヘルマン氏は「日本の製造業は品質に対する意識が強く、組み込みソフトウェアに関する技術レベルも高い。そして、自動車、医療、重要インフラ、電力などの有力企業が多い。シノプシスのSIGとしても、ソフトウェア品質を高めるソリューションによって、さまざまな貢献ができると考えている」と述べている。

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