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「QV-10」でデジカメのカタチを作ったカシオ、コンパクトデジカメ市場から撤退:製造マネジメントニュース
カシオ計算機はコンパクトデジタルカメラ市場から撤退することを発表した。
カシオ計算機は2018年5月9日、2018年3月期の決算発表の場でコンパクトデジタルカメラ市場から正式に撤退することを発表した。
カシオ計算機は1995年に世界で始めて液晶モニターを搭載したデジタルカメラ「QV-10」を発売し、「撮ってすぐに見せる」「不要な画像の消去ができる」「PCへの取り込みが行える」という今のデジタルカメラの姿を形作った※)。
※)関連記事:「QV-10」発売から20年、カシオのカメラは「技術競争に興味ナシ」
その後も薄型カードサイズのデジタルカメラや、カメラ部分と液晶画面付きのコントローラー部分を分離したモデルなど、独自の価値を追求した新たなデジタルカメラを生み出し、ブランドを築いた。
しかし、最近はカメラ機能が進化したスマートフォンなどに押され、デジタルカメラ市場そのものが縮小している他、低価格化なども進み、赤字が続いていた。2018年3月期のデジタルカメラ事業の売上高は前年比34%減の123億円、営業損失は49億円となり、挽回できない状況になったことから、今回市場撤退を決めた。今後はデジタルカメラ事業の技術やノウハウを生かした新しい事業領域の創造に取り組むとしている。
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