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ディープラーニングでノイズ成分を除去、CT画像を低線量で高品質に医療機器ニュース

キヤノンメディカルシステムズは、AIを用いたCT再構成技術「AiCE」を、高精細CTスキャナー「Aquilion Precision」に搭載し、日本で先行販売する。最大限の分解能で大幅にノイズを低減するため、より低線量で高品質な画像が提供できる。

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 キヤノンメディカルシステムズは2018年4月10日、高精細CTスキャナー「Aquilion Precision」に、AI(人工知能)を用いて設計したCT再構成技術「AiCE(エース:Advanced Intelligent Clear-IQ Engine)」を搭載したと発表した。同CTスキャナーを、同月14日から日本で先行販売する。

 同社がAquilion Precisionに搭載したAiCEは、ディープラーニングを用いて設計したノイズ成分とシグナル成分を識別する処理により、空間分解能を維持したままノイズを選択的に除去できる再構成技術だ。ディープニューラルネットワークの学習用データには、同社の「MBIR(Model Based Iterative Reconstruction)」で得られた品質の高いデータを使う。CTスキャナーの分解能を最大限に引き出しながら、大幅なノイズ低減効果が得られるため、これまでより低い線量で高品質な画像を提供できるようになる。

 同社はこれまで、低い線量で高質な画像を提供する再構成技術として「AIDR 3D(Adaptive Iterative Dose Reduction 3D)」や、「FIRST(Forward projected model-based Iterative Reconstruction SoluTion)」を開発してきた。

 AiCEは、FIRSTと同じく、空間分解能を向上して大幅にノイズを低減する。また、通常のMBIRでは困難だった、低コントラスト領域におけるノイズ低減や粒状性の維持といった効果を発揮する。ディープニューラルネットワークによる複雑なモデルや、繰り返し演算の結果を組み込んでおり、通常のMBIRよりも短時間で画像の再構成ができる。

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高精細CTスキャナー「Aquilion Precision」 出典:キヤノンメディカルシステムズ

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