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インテルの枷が外れたウインドリバー、組み込みOSの老舗はIoTで本気を出せるかIoT観測所(44)(2/3 ページ)

2018年4月、インテルの傘下を外れることが決まったウインドリバー。これは、組み込みOSの老舗である同社にとって、IoT市場に本格的に参入するきっかけになるかもしれない。

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「VxWorks」と「Wind River Linux」に加えて3本目の柱も

 VxWorksはまた、航空宇宙分野でも広く利用されており、これに向けた「VxWorks 653」という製品も提供している。こちらはARINC(Avionics Application Standard Software Interface)Specification 653という規格に準拠したもので、航空機の安全関連の標準規格であるDO-178CやDO-297などにも対応している。こうした製品も他に類が無い。

 ここまでガチガチに特定用途向けではないが、通常のVxWorksよりも要求が厳しい用途向けには「VxWorks Plus」という製品を用意している。逆に、通常のVxWorkではややオーバークオリティーに感じられるようなIoTのエンドデバイス向けには、VxWorks 7から小型デバイス向けの「VxWorks Micro Kernel」がオプションで提供されるようになった※)。これでフットプリントの削減を実現している。

※)関連記事:IoT時代のリアルタイムOS「VxWorks 7」誕生――モジュール性の高いアーキテクチャで再構築

 ただしウインドリバーはVxWorksだけを提供しているわけではない。2004年から組み込みLiniuxの「Wind River Linux」も同時に提供している。当初は「Red Hat Linux」をベースとして、組み込み向けをターゲットに提供されてきたが、2014年以降は「Yocto Project」ベースに切り替えられており、最新版のVersion 9でも引き続きYoctoベースとなっている。

 VxWorksとWind River Linuxという2本柱に加えて、3本目の柱として期待されたのが2015年発表の「Wind River Rocket」と「Wind River Pulser Linux」である。詳細はこちらのMONOistの記事が詳しいのだが、前述のVxWorks Micro Kernelよりもっと小規模のエンドデバイス向けのRTOSとしてWind River Rocketを、エッジゲートウェイなどに適したWind River Linuxよりも軽量な組み込みLinuxとしてWind River Pulser Linuxを、という位置付けになっている(図2)。これら2製品は、IoT時代に向けてクラウド連携を重視しており、その連携先となる「Wind River Helix App Cloud」の提供も開始されていた。

図2
図2 2015年末時点でウインドリバーが提供していた組み込みOSのラインアップ。フットプリントが最小の「Wind River Rocket」から「VxWorks」「Wind River Pulsar Linux」「Wind River Linux」と4つがあった(クリックで拡大) 出典:ウインドリバー

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