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AIコントローラーと“動く製造ライン”で、現実的な自律工場を具現化するオムロンハノーバーメッセ2018(2/2 ページ)

オムロンはハノーバーメッセ2018において、AIコントローラーおよび「i-BELT」の実働デモを披露するとともに、マスカスタマイゼーションのカギとされる“動く製造ライン”を披露し、注目を集めた。

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マスカスタマイゼーションのカギ、自律移動する製造ラインを実働デモ

 一方、マスカスタマイゼーションのカギとされる「物理ラインの可変」を具現化したのが「コンベヤーレスライン」である。2017年の国際ロボット展で披露したが、ハノーバーメッセでも紹介した。

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コンベヤーレスラインの様子。各作業間をコンベヤーでつなぐのではなく自律的に移動するロボットでつないでいるのが特徴となる(クリックで拡大)

 「コンベヤーレスライン」は、生産ラインでモノを流すコンベヤーの代わりに自動搬送車(AGV)を用いて柔軟な生産ラインを実現したもの。AGVが自由に工程間を動き回ってワークに必要な工程間を移動しながら製品を完成させていく。AGVには「屋内用モバイルロボットLDプラットフォーム」の製品群を活用。生産の一連の流れをAGVによるロボット搬送によって実現する姿を示した。

 AGVに搭載されているSLAM(Simultaneously Localization and Mapping)技術により、最初にAGVを運んで空間を認知させるだけで自動で地図を作成。さらに、AGVの移動を管理するソフトなどにより同時に140台のAGVの管理などが可能で、工程間を自律的に行き交う可変ラインを実現可能としている。

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AGVを管理するソフト。最大で140台のAGVを管理可能(クリックで拡大)出典:オムロン

 既にこのAGVによる「コンベヤーレスライン」は多くの引き合いを得ているというが、臼井氏は「インダストリー4.0でのマスカスタマイゼーションの実現という理想像を、いち早く現実的な形で実現できたと考えている。ロボット事業はアデプトテクノロジーを買収してから本格化したが、もともと原型となる技術をアデプトテクノロジーは持っていた。これをオムロンの持つさまざまな製品やグローバルサポート能力を組み合わせたことで本格的に受注が拡大し始めている」と述べている。

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