AI活用製品の品質保証はどうすればいいのか、QA4AIコンソーシアムが発足:人工知能ニュース
AI技術を活用した製品の品質保証に関する調査/体系化、適用支援/応用、研究開発を推進する「AIプロダクト品質保証(QA4AI)コンソーシアム」が発足する。産学から24人の発起人と3つの組織/団体が名を連ねており、AI技術による製品の進化スピードを落とすなく、社会が安心してそれらの製品を利用できるようにしていくことは目指す。
AI(人工知能)技術を活用した製品の品質保証に関する調査/体系化、適用支援/応用、研究開発を推進する「AIプロダクト品質保証(QA4AI)コンソーシアム」が、2018年4月1日に設立される。産学から24人と3つの組織/団体が発起人に名を連ねており、AI技術による製品の進化スピードを落とすなく、社会が安心してそれらの製品を利用できるようにしていくことを目指す。
急速にAI技術が進化する中で、自動運転技術やスマートファクトリーをはじめ、製造業にとってもAIの活用は避けられない状況にある。その一方で、現在のAI技術の主流となっているディープラーニング(深層学習)は、学習の結果得た推論アルゴリズムの説明が難しい「ブラックボックス化」の問題があるとともに、AIを活用したソフトウェアの品質を保証するプロセスが確立されていないことも課題になっている。
社会の安心/安全と関わる製品を供給してきた製造業の場合、従来と同様にAIを活用した製品を市場投入する際にも品質を保証することが求められる。QA4AIコンソーシアムの当面の目的は、製造業に求められるAI活用製品の品質保証の相場観を確認し、その相場観を基にガイドラインを作成し公開することだ。将来的には、ガイドラインを基にした国際標準化も視野に入れている。
活動内容は以下の通り。1.〜3.と5.〜6.の活動は月次で進め、4.については年次程度の頻度で更新するという。
- AIプロダクトの品質保証技術の調査・体系化
- AIプロダクトの品質保証技術の適用支援・応用例の収集
- AIプロダクトの品質保証技術の研究開発の促進
- AIプロダクトの品質保証レベルの策定と、各レベルに必要とされる技術の対応付け
- AIプロダクトの開発・提供組織による4.の自己宣言の方法の策定
- 社会への4.、5.の提示と啓発
AIと品質保証、それぞれの分野で業界をリードする個人が参加
一般的なコンソーシアムは企業として参加することが多いが、QA4AIコンソーシアムでは活動の実効性を持たせるため、AIと品質保証に関する高い見識を持つ個人が発起人として名を連ねている。特に注目すべきなのは、製造業の品質保証関連で著名な人々が参加しているところだろう。AIと品質保証、それぞれの分野で業界をリードする人々が参加することで、より実効的な活動を進められるとする。
QA4AIコンソーシアムの発起人と組織/団体は以下の通りだ(五十音順、敬称略)。
- 青木利晃(北陸先端科学技術大学院大学)
- 石川冬樹(国立情報学研究所)
- 猪又憲治(三菱電機)
- 今井健男(LeapMind)
- 梅津良昭(リコー)
- 遠藤征樹(日立産業制御ソリューションズ)
- 小川 秀人(日立製作所)
- 荻野恒太郎(楽天)
- 長田健一(日立オートモティブシステムズ)
- 柏良輔(横河電機)
- 岸知二(早稲田大学)
- 窪田邦夫(カルソニックカンセイ)
- 黒田園子(パナソニック)
- 榊原彰(日本マイクロソフト)
- 鈴木万治(DENSO International America)
- 土屋知典(富士通)
- 西康晴(電気通信大学)
- 濱田晃一(DeNA)
- 誉田直美(NEC)
- 増田聡(日本IBM)
- 町田欣史(NTTデータ)
- 松谷峰生(LINE)
- 光本直樹(デンソー)
- 鷲崎弘宜(早稲田大学)
- 宇宙航空研究開発機構 研究開発部門 第三研究ユニット
- ソフトウェアテスト技術振興協会
- 日本科学技術連盟
同コンソーシアムはこれらの発起人と組織/団体によって活動を進めることになる。一般の会員募集は行わず、新規の加入は、発起人相互で検討し適切な人物や団体に入会を依頼していくという。また、国内の各業界で進むAI関連製品の品質保証の取り組みとも広く連携していく考えだ。
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