日産がフォーミュラE参戦車両のデザイン公開「あたかも超音速で飛ぶ電動の鳥」:ジュネーブモーターショー2018
日産自動車は、「ジュネーブモーターショー 2018」において、2018年12月から参戦する「フォーミュラE」のレーシングカーのカラーリングコンセプトを初公開した。
日産自動車は2018年3月6日(現地時間)、「ジュネーブモーターショー 2018」(プレスデー:2018年3月6〜7日、一般公開日:2018年3月8〜18日)において、同年12月から参戦するEV(電気自動車)のフォーミュラカーレース「フォーミュラE」のレーシングカーのカラーリングコンセプトを初公開した。同社は「東京モーターショー2017」で、フォーミュラEへの参戦を発表していた。
今回のカラーリングを担当したのは、日本国内を拠点とする日産自動車のグローバルデザイン本部である。空気抵抗と重力から自由になるというデザインコンセプトと、電動パワートレインによる静粛かつ爆発的なスピードから発想を得て、カラーデザインをする際にドップラー効果に留意した。このドップラー効果による超音波パルスと、ソニックブームから発せられるパワーのコンビネーションがモチーフになっている。
同本部を担当する専務執行役員のアルフォンソ・アルバイサ氏は「デザインチームは、2018年12月から始まるシーズン5用のフォーミュラEマシンを一目見て、あたかも電動の鳥が超音速で飛んでいるように感じた」と語る。
また、フォーミュラEのシーズン5から採用される新たなパワートレインパッケージにより、さらなるパワーと走行距離を実現できる。これまでのフォーミュラEで必要だった、レース途中の車両交換が不要になるという。「日産はEVの先駆者であることに誇りを持っており、これまで培ってきた知見をモータースポーツに生かしたいと考えている。日産にとってフォーミュラEは、EV技術の重要な開発プラットフォームの1つであり、世界の主要都市の中心部でレースができることから『ニッサン インテリジェント モビリティ』を紹介するのに最適のクルマといるだろう」(日産自動車 CPO(チーフパフォーマンスオフィサー)のホセ・ムニョス氏)。
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