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環境発電向け技術「EnOcean」のLPWA化は何をもたらすのかIoT観測所(42)(3/3 ページ)

環境発電(エネルギーハーベスティング)の分野で知られる技術「EnOcean」だが、新たな規格の策定によってLPWAネットワークとしても利用可能になっている。今後の展開によっては、環境発電によるIoTをより広範囲に適用できるかもしれない。

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ZigBeeやBluetoothとの連携も可能に

 ちなみに、EnOcean自身は省電力のデータ通信方式や環境発電に関わる特許を65件以上取得しており(例えば、スイッチのオンオフで発電する仕組みに関する特許など)、これらがEnOcean自身の収益につながっている形だ。

 ただし、EnOcean自身で拡販するのは無理であり、そこでパートナー企業にこれを使って付加価値の高い製品を販売してもらうことで、マーケットを拡大していこうというものだ。一方のパートナー企業は? というと、とにかくバッテリーレスというのはメンテナンスコストを0にできるという意味でもあり、初期コストが多少高くても長期的にはペイするという売り方ができる訳で、これは差別化の要因になる。EnOceanの正会員に、それこそLIXILの様な住宅関連メーカーが加わっているのも、こうした差別化につながるからと考えれば良いだろう。

 なお、EnOceanでは、2015年にZigBee Allianceと、2017年にはBluetooth関連メーカーであるSilvairと提携し、EnOceanの無線規格に代わりZigBee 3.0やBluetooth Low Energy(BLE) 4.0を利用した接続もサポートするようになっている。今のところはスイッチ製品のみ提供されているが(Zigbee関連の製品Bluetooth関連の製品)が、将来的にはもう少しラインアップも増えてくるかもしれない。

 現時点でのEnOceanは、バッテリーレスに高付加価値を認めるマーケット向けとなっているが、EnOcean Long Rangeや、ZigBee/Bluetoothとの連携を考えると、今後もう少し広い範囲に採用されていく可能性は十分にありそうだ。

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