多品種少量生産の完全無人化に対応する同時5軸制御横形FMS:FAニュース
キタムラ機械は、無人化対応の同時5軸制御横形FMS「SUPERCELL HX300G」を発売した。長時間加工でも位置決め精度±0.002mm、繰り返し精度±0.001mm、割り出し精度4秒の高精度加工が可能になった。
キタムラ機械は2018年2月14日、無人化に対応する同時5軸制御横形FMS(フレキシブル生産システム)「SUPERCELL(スーパーセル)HX300G」を発売した。72時間にわたって無人化運転と多品種少量生産ができる「Mycenter-H300Supercell」の最新版となる。
SUPERCELL HX300Gは、アイコン表示のタッチパネル操作が行える独自開発のCNC装置「Arumatik-Mi」を搭載する。また、最高毎分2万回転の高剛性主軸、高速・高追従性を備えるA/C軸トラニオン構造を採用。オプションで40および60パレットの自動パレットチェンジャーを搭載した。複雑形状加工は最大φ200mmまでのワークサイズに対応し、切削能力は従来比24%向上、サイクルタイムは従来比30%短縮している。
標準で、独自の熱変位補正システム(IAC)と高精度・高分解能リニアスケールフィードバック、軸芯冷却装置を装備し、長時間加工でも位置決め精度±0.002mm、繰り返し精度±0.001mm、割り出し精度4秒の高精度加工が可能になった。1回の段取りで取り付け面以外の全面切削をするため、量産加工の自動化や多品種少量生産の完全無人化に対応する。
併せて、IoT(モノのインターネット)対応の生産管理システム「Anywhere-Remote(エニウェアリモート)」も搭載。19インチのマルチタッチパネルには高解像度CCDカメラ、マイク、スピーカーを採用しており、インターネットと機械を単体で接続し、世界中どこからでも稼働状況を把握できる。
インターネットを介して作業者と会話することも可能で、加工現場の状況を把握し、生産スケジュールなども管理できるとしている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- スマートファクトリーはエッジリッチが鮮明化、カギは「意味あるデータ」
2017年はスマートファクトリー化への取り組みが大きく加速し、実導入レベルでの動きが大きく広がった1年となった。現実的な運用と成果を考えた際にあらためて注目されたのが「エッジリッチ」「エッジヘビー」の重要性である。2018年はAIを含めたエッジ領域の強化がさらに進む見込みだ。 - スマートファクトリーがいよいよ現実解へ、期待される「見える化」の先
ドイツのインダストリー4.0がきっかけとなり関心が高まった、IoTを活用したスマートファクトリー化への動きだが、2017年は現実的成果が期待される1年となりそうだ。既に多くの実証成果が発表されているが、2017年は、実導入ベースでの成功事例が生まれることが期待される。 - 工作機械も4.0へ、シェフラーとDMG森精機が描く「マシンツール4.0」
ドイツのインダストリー4.0が大きな注目を集める中、工作機械にもIoTを積極的に活用する動きが出てきている。軸受部品を展開するシェフラーと、工作機械メーカーのDMG森精機は工作機械のインダストリー4.0対応を目指す「マシンツール4.0」プロジェクトを推進している。 - アップルVSサムスン訴訟を終わらせた日本の工作機械の力
知財専門家がアップルとサムスン電子のスマートフォンに関する知財訴訟の内容を振り返り「争う根幹に何があったのか」を探る本連載。最終回となる今回は、最終的な訴訟取り下げの遠因となった「新興国への技術移転」の問題と「なぜ米国で訴訟取り下げを行わなかったのか」という点について解説します。 - ファナックがIoT基盤の壮大な実演、JIMTOFで80社250台の工作機械を見える化
ファナックは「JIMTOF2016」において、同社が展開する工場用IoT基盤「FIELD system」の壮大な実演を行った。同システムによりJIMTOFに出展した機械メーカー80社、250台の工作機械をつなぎ、稼働状況の見える化を実現した。 - プロジェクターで作業指示、生産性を1.5倍にする組み立て屋台
OKIはユーザーイベント「OKI PREMIUM FAIR 2017」において、人手による組み立てセル生産の効率化を低コストで実現する「プロジェクションアセンブリーシステム」を参考出展した。