流体力学を活用して心臓の超音波画像を解析するソフトウェア:医療機器ニュース
Cardio Flow Designは、心臓超音波画像の研究用ソフトウェアパッケージ「Echo Flow Dynamics」の提供を開始した。心臓血流を可視化し、心臓の圧較差を計測する2つのソフトを含んでおり、流体力学による心臓の超音波画像解析が可能となる。
Cardio Flow Designは2018年2月7日、心臓超音波画像の研究用ソフトウェアパッケージ「Echo Flow Dynamics」の提供を開始した。年間ライセンス価格は98万円(税別)となる。
Echo Flow Dynamicsには、心臓血流を可視化するソフトウェア「Echo VFM」と、心臓の圧較差を計測するソフトウェア「IVPG」が含まれる。
Echo VFMは、画像処理工学に基づいてOptical Flow法を改良したアルゴリズムにより、心室壁の運動を高い精度で追う。心臓内の血流をベクトル表示でき、流速ベクトル、流量、運動エネルギー、Streamline、渦度などの指標を測定・表示する。
IVPGは、心尖部の超音波カラーMモード画像から、流体力学のオイラー方程式を解くことで左室内圧較差(IVPD)を計算し、非侵襲的に拡張期の心室のSucking Forceを定量できる。さらに、拡張期流入血流の速い症例の解析が可能なエイリアシング補正機能を備える。
超音波による心臓画像の撮影は手軽さが利点だが、解析ソフトウェアが装置の仕様に限定される場合があった。Echo VFMとIVPGは、いずれもHDF5フォーマットに対応するため、超音波装置のメーカーを限定せずに使用できる。
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