インドの冷蔵庫工場が生産開始、家電市場の高成長に対応:工場ニュース
インド北部にあるパナソニックの製造拠点「パナソニック・テクノパーク」が、2018年3月からインド市場向け冷蔵庫の生産を開始する。高成長が続くと見込まれるインドの家電市場において、現地適格の商品を迅速に投入し、家電事業の拡大を図る。
パナソニックは2018年2月5日、インド北部の製造拠点「パナソニック・テクノパーク」内で建設を進めていた冷蔵庫工場について、インド市場向け冷蔵庫の生産を同年3月から開始すると発表した。
新工場では、インドで今後需要の増加が見込まれる300〜350Lの容量帯の冷蔵庫を生産する。インバーター技術の採用により省エネ性に優れた冷蔵庫は、生活リズムに合わせた自動制御で省エネを可能にする「エコナビ」や、庫内を清潔に保つ「Agクリーンフィルター」を搭載。デザイン性も追求し、光沢のあるフルフラットドアや、「エコナビ」の運転状況を通知する表示パネルなどを採用している。
またインドの食生活に合わせて、多くのスパイスを収納できる「ビッグドアポケット」や、野菜の鮮度を保てる「フレッシュセーフ野菜ケース」を備える。鍋で煮沸した牛乳を冷蔵庫で保存するインドの習慣を踏まえ、牛乳鍋が丸ごと入るクールスペースも設けている。
インドの家電市場は高い成長が続くと見込まれている。また、製造業を軸に経済成長を推進する産業政策「Make in India」により、同国内への製造拠点の誘致が進められている。パナソニック・テクノパークでは、2013年からエアコンや洗濯機の生産を開始しており、今回の冷蔵庫生産はそれに続くものだ。
同社では、今後もインドにおいて現地の生活を研究し、現地に適した製品を迅速に市場投入することで家電事業の拡大を図るとしている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 生きる熟練者の知恵、327工場を構えるパナソニックのIoT革新
MONOistを含むITmediaの産業向け5メディアは、セミナー「MONOist IoT Forum in 東京」を開催した。同セミナーのレポートを3回に分けてお送りする。 - スマートファクトリーはエッジリッチが鮮明化、カギは「意味あるデータ」
2017年はスマートファクトリー化への取り組みが大きく加速し、実導入レベルでの動きが大きく広がった1年となった。現実的な運用と成果を考えた際にあらためて注目されたのが「エッジリッチ」「エッジヘビー」の重要性である。2018年はAIを含めたエッジ領域の強化がさらに進む見込みだ。 - スマートファクトリーがいよいよ現実解へ、期待される「見える化」の先
ドイツのインダストリー4.0がきっかけとなり関心が高まった、IoTを活用したスマートファクトリー化への動きだが、2017年は現実的成果が期待される1年となりそうだ。既に多くの実証成果が発表されているが、2017年は、実導入ベースでの成功事例が生まれることが期待される。 - 海外展開でもうかる企業は一部だけ!? 日系企業が国内生産にこだわるべき理由
長年生産管理を追求してきた筆者が、海外展開における「工場立地」の基準について解説する本連載。4回目となる今回は、あらためて日本国内での生産の価値とその可能性について解説する。 - 有機ELで4つ目の表示デバイス、テレビ生産が変わること変わらないこと
パナソニックは2017年5月から有機ELテレビの国内生産を開始した。栃木県宇都宮市にあるパナソニック アプライアンス社 テレビ事業部 モノづくり革新センターで、国内向けと台湾向けのテレビ生産を行う。同時に生産ノウハウを海外拠点に提供し、欧州やマレーシアでの有機ELテレビ生産の立ち上げを支援する。モノづくり革新センターの取り組みを紹介する。 - 白物家電を人手で1個ずつ作る日立――国内工場でなぜ
大量生産品であれば中国など海外の製造拠点を使う。最先端の製品でなければ、このような取り組みが一般的だろう。日立アプライアンスは白物家電や環境家電でこれとは全く逆の方針を採っている。茨城県の多賀工場で生産し、さらに1個ずつ手作業で作っている。なぜだろうか。どうしたらこのようなことが可能になるのだろうか。小寺信良が報告する。