金型の現物確認、保管、買い取りの一元管理を行うサービスを提供開始:製造ITニュース
日立ハイテクマテリアルズは、鋳造やプレス加工、樹脂成型品などの製造に必要な金型の現物確認、保管や買い取りまでをワンストップで管理する「金型管理サービス」の提供を開始する。
日立ハイテクノロジーズは2018年1月10日、同社の子会社である日立ハイテクマテリアルズが、鋳造やプレス加工、樹脂成型品などの製造に必要な金型の現物確認、保管や買い取りまでワンストップで管理する「金型管理サービス」の提供を開始すると発表した。膨大な数量の金型を一元管理することにより生産効率、業務効率を向上できる。
同サービスは、顧客の製造会社に代わり、サプライヤーが管理する金型をリストと照合しながら現物確認を行う「実査棚卸」、日立ハイテクマテリアルズの専用倉庫で金型を預かる「金型保管」、不要になった金型を買い取り原材料へとリサイクルする「金型買い取り」という3つのサービスを組み合わせ、ワンストップでの金型管理を提供する。
専用のデータベースを構築することで、顧客企業はWeb上でリアルタイムに金型の管理状況を確認できる。将来的には、金型ショット数(金型で製品を製造した回数)のデータを収集することで金型の交換時期などを推定する予兆管理サービスを提供。さらに、製造会社およびサプライヤーの製造現場で稼働するプレス機、組み立て機などの稼働状況が分かるログデータやセンサーデータを専用データベース上に集約し、生産情報を一元管理する環境を提供していく予定だ。
製造会社の多くは、製品の製造に要する金型の数量が膨大であるため、製造を委託しているサプライヤーに金型の管理も委託しており、量産終了後の金型の保管をサプライヤーが請け負う場合もある。製造会社では、サプライヤーの管理状況を定期的に把握する必要がある。さらに2016年12月、下請代金支払遅延等防止法の運用基準に、サプライヤーに対する量産終了後の金型の無償保管要請が、親事業者である製造会社の違反事例として明記され、コンプライアンスの観点からも金型管理の適正化、効率化が求められているという背景があった。
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