「WannaCry」の拡散続く「クローズドな環境だから安全という思い込みが脆弱性」:IoTセキュリティ(2/2 ページ)
トレンドマイクロが「2017年国内サイバー犯罪動向」の調査結果について解説。製造業と関わる大規模なサイバー攻撃事例となるランサムウェア「WannaCry(ワナクライ)」は現在も拡散が続いている。「IoT活用やITシステムとの連携を考慮すれば、クローズドな環境だから安全という思い込みは脆弱性に成り得る」(同社)という。
制御システム関連ソフトのゼロデイ脆弱性の増加に注意
会見では、2018年以降の国内サイバー犯罪動向予測についても触れた。製造業関連では、法人のIIoT(産業用IoT)システムへのサイバー攻撃リスクが増大するという。
トレンドマイクロが2017年1〜9月に確認した、国内におけるSCADAなど制御システム関連ソフトウェアの脆弱性の総数は、同年1〜3月の4件に対して、4〜6月が50件、7〜9月が84件と増加傾向にある。
これらの脆弱性の過半を占めるのが「ゼロデイ脆弱性」だ。ゼロデイ脆弱性は、既に問題が指摘されているものの、その対策が提供されていない脆弱性を指す。岡本氏は「問題があることが分かっていて対策が提供されていないゼロデイ脆弱性は、サイバー攻撃者の格好の的だ。にもかかわらず、IIoTシステムでゼロデイ脆弱性が増加傾向にあるのは、レガシーなシステムへの対応法が整備されていないことが理由だろう」と指摘する。
これらの他、2017年のサイバー犯罪動向として、2017年3月に発見されたミドルウェア「Apache Struts2」の脆弱性を利用した公開サーバからの情報漏えいや、海外で急増するとともに国内でも幾つかの事例が報告されているビジネスメール詐欺(BEC:Business E-mail Compromise)についても説明している。
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