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1つの遺伝子から機能の異なるタンパク質が生じる仕組みを発見医療技術ニュース

九州大学は、1つの遺伝子から機能の異なる複数のタンパク質を生み出す仕組みを解明した。遺伝子の転写開始点を制御すると、細胞内で複数のタンパク質が細胞内の異なる場所に生じることが分かった。

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 九州大学は2017年11月10日、DNA配列がmRNAに写し取られる「転写」の開始位置(転写開始点)の制御が、タンパク質の種類の増加に関係していることを発見したと発表した。九州工業大学との共同研究で明らかにした。

 今回研究グループは、植物の光を受容するタンパク質「フィトクロム」が、2000以上もの遺伝子に直接働きかけ、転写開始点を変化させることを発見。その結果、約400遺伝子のそれぞれから、複数のタンパク質が細胞内の違う場所で生じることが分かった。この仕組みによって1つの遺伝子から生じる複数のタンパク質が、細胞内の異なる場所で異なる機能を果たすことで、植物の光環境への適応に働くことを明らかにした。

 数千という規模の転写開始点の変化は、フィトクロムだけでなく、さまざまな刺激に伴って真核生物に共通の仕組みで起こる可能性が高い。そのため同成果は、生物学上の重要原理の発見と位置付けられるとしている。

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植物の光受容体フィトクロムが転写開始点の制御によってタンパク質の細胞内局在を変化させる(クリックで拡大) 出典:九州大学

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