ガソリンの残量は? 家のカギ閉めたかな? トヨタ「KIROBO mini」が教えてくれる:ロボット開発ニュース
トヨタ自動車は、コミュニケーションロボット「KIROBO mini」を全国のトヨタ販売店を通じて発売した。全国での発売に合わせてクルマや家との連携機能が新たに追加された。
トヨタ自動車は2017年11月22日、コミュニケーションロボット「KIROBO mini」を全国のトヨタ販売店を通じて発売したと発表した。全国での発売に合わせてクルマや家との連携機能が新たに追加された。一部地域で先行販売したKIROBO miniでも、アプリのアップデートによって同様の機能を利用できる。現在、店頭での予約注文を受け付けている。メーカー希望小売価格は4万2984円。
KIROBO miniは話しかけた人の方向に顔を向けながら、顔や手を動かして会話するのが特徴の小さなロボット。座った姿勢での高さは10cmで、手のひらに収まるサイズだ。家に置くだけでなく、外出時に携行することもできる。
今回、クルマや住宅との連携機能が新たに追加された。対応する車両は、2017年2月に発売したプラグインハイブリッド車「プリウスPHV」。画面サイズが11.6型のT-Connect SDナビゲーションシステムの装着と、車載通信機のDCM(データコミュニケーションモジュール)の利用契約が条件となる。対応した住宅はトヨタホームのHEMS搭載のスマートハウスで、KIROBO miniとの連携には「TSC-HEMSサービス」に加入する必要がある。
こうした条件がそろい、KIROBO miniがユーザーとのコミュニケーションによって成長すると、KIROBO miniに話しかけることで住宅やクルマの情報を確認できるようになる。例えば、「ガソリンまだ残っていたかな?」と聞くと「おなかペコペコみたい」と燃料の残りが少ないことを知らせる。また、「玄関のカギはかけたっけ?」と話しかけると「さっきは大丈夫だったみたい。自分の目で確かめると確実かなあ」といった形で返答する。
公式コミュニティーサイト「KIROBO mini Friend Park」では、ユーザーがKIROBO miniの発言内容や成長の度合いなどについて投稿して交流している。歌を歌ったりジョークを言ったりするというエピソードや、ユーザーが欲しいといったクルマを記憶していておねだりするといった出来事が紹介されている。
トヨタ自動車は2020年までに日米のほぼ全ての乗用車にDCMを搭載し、クラウド基盤「モビリティサービスプラットフォーム」につなげていく計画だ。モビリティサービスプラットフォームを通じたサービスは国内外で具体化している。米国でのカーシェアリングが2017年秋からスタートしており、2018年からは安全運転の度合いによって保険料の一部を割り引く自動車保険を日本で提供する。
つながるクルマの通信品質を安定させるためのグローバル通信プラットフォームはKDDIと共同開発する。KDDIが取引のある各国の通信事業者の回線にDCMを直接接続させ、国や地域をまたいでも安定した回線に切り替わるようにする。
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