IoT活用による効果を6割以上が実感、実態調査から:製造マネジメントニュース
富士通クラウドテクノロジーズは、IoT活用の実態に関するアンケート調査結果を発表した。勤務先がIoTを活用していると回答した人にその効果を尋ねたところ、64.7%が期待通りあるいは期待以上と何らかの効果を感じていた。
富士通クラウドテクノロジーズは2017年10月18日、IoT(モノのインターネット)活用の実態に関するアンケート調査結果を発表した。今回で3回目になる同調査は、同年9月6〜11日にインターネット上で実施。製造業またはサービス業に従事する全国の20代以上の男女を対象とし、550人(製造業250人、サービス業300人)から有効回答を得た。
同調査によると、IoT活用でビジネスが進展すると考えているのは、製造業が76.4%、サービス業が52.3%と両業種とも半数以上だった。また、世の中にIoTが普及していると実感している人は全体で45.7%となった。いずれも前回の2017年3月調査とそれほど変わらない水準だ。
実際のIoTの活用状況は、「活用している」「活用の準備をしている」「活用を検討している」を合わせて全体で33.5%。こちらもこれまでの調査と同様の水準だった。業種別では、製造業が51.2%、サービス業が18.7%で製造業においてIoT活用が進んでいる。
勤務先がIoTを活用していると回答した人にその効果を尋ねたところ、64.7%が「期待通り」あるいは「期待以上」と何らかの効果を感じていた。なお「効果が全くなかった」は0%だった。
IoT活用に取り組んでいない理由は「特に理由はない」が最も多く(46.7%)、他には「自社サービスとIoTの関係が分からない」や「IoT活用のための部門・部署がない」「効果が分からない」などが挙がっている。
反対に、IoTに求める価値としては「顧客接点強化」や「製品・サービスの付加価値向上」「フロントサービス業務の最適化」などが挙がった。
また、IoTを実際に活用あるいは準備、検討している場合の用途は「サービスの付加価値向上」(21.2%)や「システム・インフラの効率化」(18.5%)、「新規事業創出」(12.5%)が多く、IoTに求める価値と実際の活用実態との間にギャップがあることが分かった。
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