製造現場で広がるAIと人の協力、役割分担はどこに?
射出成形機などプラスチック製造の展示会である「国際プラスチックフェア2017」に取材に行ってきました。その中でファナックとPreferred Networks(PFN)が出展した、ディープラーニング(深層学習)を活用した射出成形機の予防保全技術が大きな注目を集めていました。
ファナックとPFNは、シスコシステムズやロックウェルオートメーションなどと共同でIoTプラットフォーム「FIELD system」の開発や運用を進めていますが、それ以前に「機械学習(マシンラーニング)を活用した産業用ロボット技術の高度化」に向けた技術提携を実施。産業用ロボットで非常に難易度の高いバラ積みピックアップをディープラーニングでティーチングなしに実現する技術を開発し注目を集めました。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 射出成形機にAI搭載、ファナックが深層学習技術で予防保全
ファナックとPreferred Networksは「国際プラスチックフェア2017」で、AI技術を搭載し予防保全を実現する射出成形機を披露した。 - 人工知能は製造現場でどう役に立つのか
人間の知的活動を代替するといわれる人工知能が大きな注目を集めている。ただ、製造現場で「使える」人工知能は、一般的に言われているような大規模演算が必要なものではない。「使える人工知能」に向けていち早く実現へと踏み出しているファナックとPFNの取り組みを紹介する。 - 機械は人の仕事を奪わない、“人とロボットがともに働く現場”が拡大へ
2016年は人工知能関連技術が大きな注目を集めて「機械が人間の仕事を奪う」という議論が大いに盛り上がりを見せた。こうした一方で2017年には「現場」において、こうした動きと逆行するように見える「人とロボットが協力して働く世界」が始まりを迎える。 - いまさら聞けない産業用ロボット入門〔前編〕
日本は「ロボット大国」とも呼ばれていますが、その根幹を支えているのが「産業用ロボット」です。それは世界の産業用ロボット市場で圧倒的に日本企業がシェアを握っているからです。では、この産業用ロボットについてあなたはどれくらい知っていますか? 今やあらゆるモノの製造に欠かせない産業用ロボットの本質と基礎を解説します。 - 製造現場での普及を2倍に、ロボット新戦略が目指すロボットと共に働く未来
日本政府が主催する「ロボット革命実現会議」は、ロボット活用の技術的および規制面でのロードマップを示した「ロボット新戦略」を発表した。本稿では、この新戦略の中で示されている「モノづくり」分野への取り組みにフォーカスし、その内容を紹介する。