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非侵襲で3次元画像を撮像できる光干渉式断層撮像システムを開発:医療機器ニュース
SCREENホールディングスは、細胞などを非侵襲のまま3次元で観察できる光干渉式断層撮像システム「Cell3iMager Estier」を開発した。染色などの前処理をせずに、非侵襲で生体サンプルの3次元画像を撮像できる。
SCREENホールディングスは2017年10月2日、細胞などを非侵襲のまま3次元で観察できる光干渉式断層撮像システム「Cell3iMager Estier」を発表した。同年12月より販売を開始する。
Cell3iMager Estierは、眼科の網膜診断などに用いられるOCT技術を搭載している。iPS細胞やES細胞などから作られたオルガノイド(試験管内で3次元的に作られた臓器)や生体組織サンプルの3次元画像を、前処理なしで、非侵襲かつ安全に撮像できる。
例えば、1辺300μmの立方体を撮像する場合、空洞や隙間など外からでは分からない内部構造を深さ数百μmまで1分間で撮像できる。また、研究現場で利用されるウェルプレートやシャーレのまま観察できるため、既存の生体顕微鏡との連携もしやすい。
細胞イメージング分野は近年、生物顕微鏡によって詳細な生物現象の解析が可能になってきている。一方で生物顕微鏡は、視野が限定されることや、染色などの前処理によってサンプルに侵襲的な影響を与えることが課題となっていた。
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