未来のピープルズカーもVW――EV版ワーゲンバス「I.D.BUZZ」:東京モーターショー 2017(2/2 ページ)
フォルクスワーゲンが往年の名車“ワーゲンバス”のEV版「I.D.BUZZ」を含む日本初公開の8モデルを東京モーターショーで披露。これまで“ピープルズカー(大衆車)”をけん引してきた同社が提案する、電動化が進む世界での“皆に愛されるクルマ”とは?
電動モーターを前後に2つ装備した4WD機構の8人乗り多目的マイクロバスであるI.D.BUZZは、「I.D.Pilot」と名付けられた自動運転モードで走行可能。ステアリングホイールを軽く押すと自動運転モードが作動し、ステアリングはインストゥルメントパネルに収納。このモード中は新開発のステアリングコラムシステムによってステアリングがステアリングギヤから切り離されているため、ドライバーはシートを後ろ向きにして後席乗員と向き合って座わることも可能。ステアリングホイールのタッチパッドに触れるか、ブレーキかアクセルペダルを踏み込むと自動運転モードが終了となる。
ステアリングホイールの中央部分はタッチパッドになっており、運転に直接関わる機能はそこから操作する。またドライバーに必要な情報は、ARヘッドアップディスプレイによってドライバーの視界の中に映し出されるため、ドライバーには実際の道路上に3D画像のシンボルなどが現れるように感じられるという。
同社ブースでは、先月(2017年9月)開催のフランクフルトモーターショー2017でお披露目されたSUV×4ドアクーペのクロスオーバーEV「I.D. CROZZ 2」のエクステリアやインテリアをバーチャルに体験できる「VR Experience」や、ヘッドマウントギアで動画などを見ることで発生する脳波によってその人の潜在意識を読み取り、最適な1台を提案するバーチャルショールーム「Intuitive Car Finder」といった、新時代のクルマ選びを体感できるコーナーも設けている。
その他、今回のモーターショーで日本初公開されたモデルは以下の通り。
関連記事
- VW「パサート」ディーゼルエンジンモデルを日本導入、新エンジンで需要取り込む
フォルクスワーゲン グループ ジャパンは、ディーゼルエンジンを搭載したセダンおよびステーションワゴンの「パサート TDI」の型式認証を取得し、日本市場向けに2018年初めから発売する。 - VWの2025年までの経営計画はSUV拡充と電気自動車100万台がカギ、2万人超の解雇も
Volkswagenは2025年までの中期経営計画を発表した。今後10年で、量販セグメントのトップブランドとなることを目標に、製品戦略を見直して高収益化を図る。電気自動車には25億ユーロ(約2980億円)を投資する。また、ユーザー8000万人のテレマティクスサービスを構築し、売上高10億ユーロ(約1200億円)を見込んでいる。 - 「ゴルフ」並みの価格と運動性能で走行距離600kmの電気自動車、VWが2020年に発売
Volkswagenは、「パリモーターショー2016」において、完全自動運転と電気自動車の開発方針を示すコンセプトモデル「I.D.」を世界初公開した。プラットフォームは電気自動車専用で新たに設計。コンパクトカーの「ゴルフ」よりもやや小さいボディーサイズで同等の価格の量産モデルを2020年に発売する計画だ。完全自動運転は2025年の実用化を目指す。 - 新世代のフォルクスワーゲンを進める「4つの柱」と「3つの段階」
「2016 International CES」の基調講演に、フォルクスワーゲン乗用車ブランドの取締役会長を務めるヘルベルト・ディース氏が登壇した。ディース氏は、新世代のフォルクスワーゲンを進める「4つの柱」と「3つの段階」を説明。それらを明示するコンセプトカーとして「e-ゴルフ タッチ」と「BUDD-e」を披露した。 - VW会長「プラグインハイブリッドに注力」、ディーゼルの日本投入は延期
フォルクスワーゲン乗用車ブランド取締役会会長のヘルベルト・ディース氏は「東京モーターショー2015」のプレスブリーフィングで、一連の排気ガス不正問題について謝罪。今後は、電気自動車やプラグインハイブリッド車を中心軸に据えていく方針を明らかにした。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.