VW会長「プラグインハイブリッドに注力」、ディーゼルの日本投入は延期:東京モーターショー2015
フォルクスワーゲン乗用車ブランド取締役会会長のヘルベルト・ディース氏は「東京モーターショー2015」のプレスブリーフィングで、一連の排気ガス不正問題について謝罪。今後は、電気自動車やプラグインハイブリッド車を中心軸に据えていく方針を明らかにした。
Volkswagen(フォルクスワーゲン)は2015年10月28日、「東京モーターショー2015」(一般公開日:2015年10月30日〜11月8日、東京ビッグサイト)のプレスブリーフィングにおいて、日本未導入モデル1台と日本初公開モデル6台を公開し、ディーゼルエンジンの排気ガス不正問題について謝罪した。
記者発表会には日本法人であるフォルクスワーゲン グループ ジャパン代表取締役のスヴェン・シュタイン氏と、フォルクスワーゲン乗用車ブランド取締役会会長のヘルベルト・ディース氏が登壇。謝罪とともに今後の方針を語った。
ディーゼルモデルの日本投入は時期見直しへ
スヴェン氏は冒頭から「ディーゼルエンジンの件で、日本の信頼を大きく失ってしまった。今後は真摯に対応していかねばならない」と謝罪。さらに、日本市場には不正のあったエンジンを搭載する製品を輸入していないことを強調した。また、ディーゼルエンジンモデルの日本投入については、「予定通り行うが、投入時期は当初より遅い2016年を検討している。まずは安心して乗ってもらえるよう、信頼を得なければならない」と述べた。
プラグインハイブリッド技術を全ての主力モデルに
ディース氏も同様に深く謝罪した後「電気自動車分野を強化していく」と今後の方針を説明。同社の電気自動車「e-Golf」「e-up!」を引き合いに出し、「自動車産業の変革において役割を果たしたい」と語った。また、プラグインハイブリッド(PHEV)技術を全ての主力モデルに搭載したいとコメントした。
「ティグアンGTE」は屋根にソーラーモジュール
同会では日本初公開となるプラグインハイブリッド車「ティグアンGTE」が披露された。ティグアンGTEは、2016年秋に日本投入を行う予定の新型「ティグアン」をPHEVにしたコンセプトカーだ。外部充電が可能なエネルギー容量13.0kWhの高電圧リチウムイオンバッテリーと、世界初(同社調べ)のルーフ内蔵型ソーラーモジュールを搭載していることが特長。これにより、完全電動とゼロエミッションとなるEV走行モードで、50kmまで走行可能としている。ソーラーモジュールによって年間発電される電力は、最大1000km走行させるエネルギーに相当するというデータもあるという。
ティグアンGTEは、ガソリン直噴ターボエンジン(最高出力115kWの排気量1.4l「TSI」)と電気モーターを用い、前輪を駆動して走行する。走行モードは、電気モーターだけで走る「Eモード」の他、「ハイブリッドモード」「バッテリーチャージモード」「GTEモード」の合計4つで走行することが可能だ。特に、GTEモードはTSIエンジンと電気モーターが同時に働く「パワーブースト」状態で走行できるため、最高出力160kW/最大トルク218psのシステムパワーが、最大限に発揮されるという。
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