日本版第4次産業革命が進化、製造含む5つの重点分野と3つの横断的政策(後編):製造業IoT(2/3 ページ)
経済産業省は2017年3月に発表した日本版の第4次産業革命のコンセプトである「Connected Industries」を進化させる。より具体的な取り組みを盛り込んだ「Connected Industries 東京イニシアティブ 2017」を新たに発表した。前編では横断的政策について説明したが、後編では重点5分野の取り組みを紹介する。
自動走行とモビリティサービスへの取り組み
自動走行やモビリティサービスへの取り組みについては、「交通事故の削減」「渋滞の緩和」「環境負荷の低減」などの社会課題に対し「運転の快適性向上」「高齢者などの移動支援」などの価値を作り出していくものだ。これにより、自動走行に向けた自動車関連産業の国際競争力を確保することも目指す。
現状では、国内外の事業者が無人自動走行による移動サービスを2020年頃に実現しようとしている。日本の自動車メーカーは現状では世界をリードする存在となっているが、自動運転などの取り組みについてはやや遅れていると見られている。部品やソフトウェア開発については、欧米自動車メーカーが活発な取り組みを進める一方で、サービスなど関連市場に向けては新規参入企業が増えており今後の競争環境の変化が予測され、楽観できない状況になっている。これらに対し、世界的競争力を確保しつつ、不足する政策などを補っていかなければならない状況だ。
こうした背景に対し、2015年2月には現状の課題分析を行うために、製造産業局長と国土交通省自動車局長の検討会「自動走行ビジネス検討会」を設置。さまざまな検討を重ねてきた。
今後に向けては、自動走行を社会実装していくために欠かせない実証実験の拡充や深化を図るとともに、実証実験で得られるデータの共有を進めていく方針である。また、各社が共通して利用する共有インフラ(自動走行用地図、開発用データベースなど)を官民協力で整備し協調領域の拡大を図る。
現状として協調領域としてこれまで十分な議論がされていない「自動運転技術開発に必要な人材育成」などについては新たに検討を行う。分科会では自動走行を念頭に議論し、並行して、コネクテッドカーやシェアードサービスといったトータルモビリティサービスの提供方法についても検討を進めていくとしている。具体的な分科会の取り組みについては以下の通りである。
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